軽量級レコードプレーヤーの救世主だったのか!?【Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット】
付属のフェルトのターンテーブルシートから【Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット】に交換した。
もちろん音質の向上を目指す為である。
実際にアクリル製のターンテーブルシートに交換した結果、想像以上に音質改善の効果があり驚いた。
軽量級のレコードプレーヤーでも使いこなしによってまだまだ音の伸びしろがある事を今回も実感した次第である。
【もくじ】
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アクリル製ターンテーブルシート【HUDSON HI-FI】を選択した理由
ターンテーブルシートの素材は昔からゴム製がスタンダードだが、インシュレーターと同じで、使い所や商品の選定を間違えると音が鈍るイメージがある。
フェルトのターンテーブルシートは既にレコードプレーヤーに付属していたものを使用していて静電気の影響がある事が気になる。
帯電しているレコード盤を持ち上げる際にフェルトが盤に吸い付く事を経験している。
TEACから和紙のターンテーブルシートが発売されているのが、かなり気になっているが耐久性はどうなのだろうか?
TEAC TA-TS30UN-BW 和紙製 ターンテーブル・シート
その他、カーボンやマグネシウム入りなどあるが、アクリル製のターンテーブルシートが前々から気になっていた。
実際にTEACのレコードプレーヤーでアクリル製のプラッターを使用している製品を見かける。
TEAC ティアック ベルトドライブ アナログターンテーブル TN-5BB-M/B
TEACがレコードプレーヤーでアクリル製のプラッターを使用している理由として、ビニールのレコード盤と同性質(電位が近い)の素材でレコード盤が帯電しにく、適度な内部損失がある為と説明している。
ほかにも、Pro-JectというメーカーのX1やX2にもアクリルプラッターが採用されている。
ちなみに非常に評価の高いRegaのPlanar 2 Turntable というレコードプレーヤーもアクリル製と思っていたがガラス製のプラッターが採用されていた。
いずれもアルミなどの金属性ではなことに興味がそそる。
静電気はオーディオにとって大敵で、オーディオアクセサリーには除電グッズが発売されているぐらいだ。
レコード盤の除電のハケなどが有名だが、オーディオボードに使用される人工大理石やコーリアンボードも帯電防止の効果があり、私もオーディオ機器の下に好んで敷いている。
AIRBOW DCBシリーズ コーリアンボード 1枚 (350×450mm 厚さ12mm)
私のレコードプレーヤーTEAC TN-3Bは軽量級の為、重量のあるゴムシートやステンレスシートなどは避ける事にした。
これらの条件でやはり気になる良さそうな3mm厚のアクリル製ターンテーブルシート「Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット」を試すことにした。
ゴムやフェルトよりはアクリルの方が硬質なので高音に癖がつくようであれば、コルク製のターンテーブルシートに買い替えようと決めていた。
しかし、そんな事は余計な心配だったという事をアクリルターンテーブルマットを使い、音を聴いて直ぐにわかった。
【Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット】の音質改善効果について
TEAC アナログターンテーブル チェリー TN-350-CH
最初にカートリッジにオーディオテクニカのマイクロリニア針AT-VM95MLを使ったアクリルターンテーブルマットの音質の印象は以下の通りだった。
- レンジ感がアップし、特に低音楽器の質感が増した。
- 各楽器の音の密度がアップした。
- 高音の艶と繊細感が増した。
オーディオテクニカ audio-technica VM型ステレオカートリッジ AT-VM95ML 無垢マイクロリニア針
次にMCカートリッジのDENON DL-103に交換して聴いてみた。
DL-103の低音は今まででも充分出ているのでアクリル製ターンテーブルシートにすると低音過多にならないか心配だったが、まったく問題が無くドラムやベースがよりいっそう力強く質感が高まった。
高音は艶やかになり流石にMCカートリッジらしい情報量の多い音に磨きがかかった。
次にオルトフォンのMM型カートリッジの2MREDで確認した。
【1000本限定生産モデル】ortofon 2MREDSH4R (MMカートリッジ+専用レッドカラーシェルセット) オルトフォン 2MRED
ortofon 2M Red カートリッジ MMカートリッジ 2Mシリーズ オルトフォン
クッキリした高域が特徴なのでアクリル製のターンテーブルシートだと高音が耳に刺さらないか心配だったが、これも無用な心配だった。
もともとの艶やかな音に繊細さが聴き取れる様になりシンバルの余韻がたまらない。
低音方向も締まりつつも力強さが増しウッドベースの指使いが視えるようだ。
モノラルレコードをオーディオテクニカのモノラルカートリッジAT-MONO3で聴いてみた。
audio-technica カートリッジMC [AT-MONO3/LP]
マイルスのプレステッジ時代のアルバム。
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CDで聴いていた時代からシステムの状況を把握するのに良いアルバムの一つで、これを上手く鳴らすのを目標にするが、システムのどこかが悪いと上手く鳴ってくれない。
下手をすると低音がなく痩せ細った音で高音が耳につき、定位も曖昧になるのだが、、、。
アクリルターンテーブルマットを敷くとマイルスのトランペットを見事に鳴らしてくれた。
ミルトジャクソンのバイブの響きの漂いとマイルスのミュートトランペットの繊細感が見事に表現される。
ベースの存在感もしっかりしてバックのドラムの質感も良い。
次はあえて低音たっぷりのソニーロリンズの「橋」を聴いた。
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このアルバムは低音がしっかり下まで伸びて量感が豊かだが、さらに密度が高く質感が大きく向上した。
アクリル製ターンテーブルシートはフェルトやゴムなどより硬質な素材なので、音も固くならないか心配していたが、どのレコード盤も低音の質がアップしつつも中域の表現が豊かで伸びやか且つ艶があり、響きと繊細さを合わせもつ高域にも魅了される。
特に軽量級のTEACのレコードプレーヤーでコレだけで力強く質の良い(量感だけでない)低音が聴けるとは思わなかった。
そして、癖一辺倒な音にならずカートリッジそれぞれの能力を引き出してくれるので、まるでアンプ をグレードアップしたかのごとく感じた。
【Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット】は大成功だった!!
Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット | アメリカ製LPスリップマット レッドライン
ターンテーブルシートで針圧は変えるべきか?
針圧計を持っていない方でターンテーブルシートを市販のものに変えた場合でも、カウンターウエイトのメモリはそのままで良い。
実際にプラッターに直に針圧計を置いて2.0gで針圧を設定しカウンターウエイトのメモリも2.0をそのままにして、今まで使っていたレコードプレーヤー付属のフェルトのシート、そして今回導入した3mm厚のアクリル製ターンテーブルシートのそれぞれの針圧を測ってみたが、全て2.0gの測定値だった。
<プラッター直置きの針圧設定を2.0gに>
<付属のフェルト製ターンテーブルシートでも針圧は変わらず2.0gを示した>
<Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマットこれも針圧2.0gを示した>
Neoteck 針圧計 レコードプレーヤー用 デジタル LP スタイラスフォースメーター レコード 0.01g 高精度 収納ケース付き 18ヶ月保証期間 シルバー
要するにターンテーブルシートの厚みによって針圧は変わらないと思って良い。
トーンアームの高さ調整は出来るに越した事はない
厚み3mm位であれば、他のレコードプレーヤーに付属しているゴムやフェルトのシートと大差がないか、もしくは少し厚くなる程度ではないだろうか?
それでも、トーンアームの高さは調整が出来るのに越した事はない。
ターンテーブルとトーンアームの高さの関係により、針をレコード盤に下ろした時の針の入る角度が変わる場合があるからだ。
レコード盤の溝に針の入る角度が変わると音も変わるはず。
しかし、レコード盤の厚みにもバラつきがあり、さらにカートリッジの高さにもバラつきがあるので3mm厚のターンテーブルシートでは、気にしないでおく事にする。
そもそも私のレコードプレーヤーにはアームの高さ調整機構がないので調整しようがない。
アクリル製ターンテーブルシートはスリップしない
アクリル製ターンテーブルシートは滑らないのか?と心配していたが全く問題がなかった。
非常に平面性が高くプラッターにしっかり密着している。
Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット | アメリカ製LPスリップマット イエローライン
フェルトではレコードクリーナーでレコード盤を拭いている時にレコード盤が滑る事があるが、アクリルターンテーブルマットでは全く滑らなかった。
コレだけでも音質改善の効果が期待できる。
ハウリングマージンは落ちるのか?
試しにハウリングマージンをフェルトとアクリルのターンテーブルシートで確かめてみたが、私の環境ではアクリルターンテーブルマットに変えてもハウリングマージンは落ちる事はなかった。
ハウリングマージンを稼ぎたいのであれば、ゴム製のシートの方が良いかと思うが、プラッターのところでハウリングマージンを稼ぐ為にシートで防振しても芯の無い音で、響きまで削ぎ落とされてしまうのではないだろうか?
私はラックやインシュレーターでしっかり振動対策をしてセッティングするべきだと思う。
AET インシュレーター 4個 ウルトラハードモデル VFE4010U
ターンテーブルマット(ターンテーブルシート)を選ぶ時の注意点
音質以前の問題だが、レコードスタビライザーを載せている方は、厚みのあるターンテーブルシートを選んだ場合にダストカバーに干渉しないかどうか事前に確かめて置いた方がよい。
山本音響工芸 アナログプレーヤー用・レコードスタビライザー RS1 RS1
audio-technica ディスクスタビライザーaudio-technica AT618a
私の場合、3mmのアクリル製ターンテーブルシートにレコード盤とスタビライザーを乗せて、そのままダストカバーを閉めるとなんとかギリギリ当たらないぐらいに収まっている。
もし5mm 厚のターンテーブルシートだとレコード盤によってはスタビライザーがダストカバーに干渉していたかもしれない。
基本的にはダストカバーは外してレコード再生するほうが音質的には良いのは確かだが、中には使用環境でダストカバーが必須の方もいると思うので、ターンテーブルシートの厚みとスタビライザーの高さにはくれぐれも注意しておいた方が良い。
カラフルなスケルトンがシステムに色を添える
【Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット】アクリル製ターンテーブルシートは蛍光色のスケルトンで色鮮やかだ。
Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット | アメリカ製LPスリップマット オレンジライン
本当はグリーンが欲しかったが、直ぐに手に入るのがレッド(実際にはオレンジがかったピンク)だった。
かなり派手に感じるかもしれないが、ターンテーブルに載せてみると安ぽさは意外と感じない。
レコードを載せてしまえば、ターンテーブルシートの色は見えないので何色でも良いのだが、レコードを再生しない時はアクセントとして面白い。
そんなカジュアルな【Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット】というアクリル製ターンテーブルシートは予想を遥かに超えて再生音の質感を大きくアップしてくれる。
私の軽量級レコードプレーヤーTEAC TN-3Bの必須アイテムとなってくれた。
昔は重ければ重いほど良いというオーディオ業界だったが、最近のレコードプレーヤーは高音質を追求しながらも薄型でスタイリッシュなものが増えてきた。
Hudson Hi-Fi アクリルターンテーブルマット | アメリカ製LPスリップマット レッドライン
Hudson Hi-Fi (ハドソン ハイファイ)の ターンテーブル プラッターマット は、ゴム製の様な劣化が少ないので、非常にコスパが高く他にはないカラーもありたいへん魅力的な商品だと思う。
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2021年9月6日更新
2020年1月18日初回投稿
アナログ(analog) Vol.74 (2021-12-30) [雑誌]