おすすめ!BGMは、左右独立アンプにてバランス調整すると情報量が格段にアップする!
BGM再生時に左右のスピーカーの音量バランスを調整することで、より豊かな音楽体験が得られるようになる。
リスニングポジションが左右どちらかのスピーカーに近い状況だった場合には、遠い方のスピーカーからの音が小さくなり、トータルとして情報量の少ない音を聴いていることになる。
これを解消するためには、アンプに左右のバランス調整ツマミがあれば良いのだが、最近の小型D級アンプにはバランス調整ツマミが備わっていない。
そこで、左右それぞれのスピーカーに1台づつアンプをあてがって、それぞれのスピーカーを単独で音量調整できるように2台のアンプを使用することにした。
個別にうまく音量調整すると、遠い方のスピーカーからの音が聴こえやすくなり、全体の音の情報量が増え豊かな音が得られるようになった。
さらに、ステレオアンプの片側chを遊ばせてでも左右独立アンプにすることは、左右の音量調整だけでなく、音質が大きく向上するというメリットも感じることができた。
一見もったいないアンプの使い方と思われるかもしれないが、その音の良さは実際に体験するとそんなことはどうでもよくなる。
【もくじ】
BGMの音質向上に必要な左右のバランス調整
ポイント👉BGMを楽しむ場合でも音質の向上は重要!
ポイント👉片側のスピーカーが遠いと音の情報量が減ってしまう!
一般的にステレオプリメインアンプには左右のバランス調整ツマミが備わっているが、積極的に活用されているだろうか?
もし、バランス調整つまみを活用していないのであれば、それは非常にもったいないことかもしれない。
とくにBGM再生時には、左右のスピーカーの音量バランスをうまく調整することで、より豊かな音楽体験が得られるようになる。
基本的にピュアオーディオのステレオ再生では、リスニングポイントを左右スピーカーから二等辺三角形の頂点に配置するのが理想とされている。
しかし、BGM再生では左右のスピーカー間の真ん中正面から外れて、片方のスピーカーに近づいて聴いていることが多いだろう。
オーディオマニアでなければなおさら、ベッドルームやリビングのソファーでくつろぎながら、左右どちらか片方のスピーカーに近づいて聴いていることが多いと思う。
このようなリスニングポジションでは、遠い方のスピーカーからの音量が小さくなり、本来の音源よりも情報量の少ない音を聴いていることになる。
これを改善するには、積極的にプリメインアンプのバランス調整ツマミを使い、遠い方のスピーカーと近い方のスピーカーの音量をそろえる必要がある。
左右の音量バランス調整のコツは、モノラル音源を再生しながら自分が聴く位置から見て左右のスピーカーの真ん中に音像がくるようにバランスつまみを回して調整すると良い。
これにより、遠い方のスピーカーから発する音が聴こえやすくなり、全体の音の情報量が増えてBGMが心地よく空間に漂うようになる。
バランス調整ツマミがない場合の対処法
ポイント👉アンプを2台使うと左右独立で音量調整ができる!
私のパソコンデスクには低予算でデスクトップオーディオを組んでおり、
JBL Pebbles バスパワードスピーカー を独自の使い方で高音質に再生している。
JBL Pebbles バスパワードスピーカー をDELL 27インチモニターの両脇に左右対称に設置しているので、デスクワークをするときは特段左右の音量調整をする必要性を感じたことはない。
今年、別室のオーディオルームにFostex 10cm フルレンジFE108SS-HP限定ユニットを取り付けた【飛びねこ】のダブルバスレフスピーカーを導入したため、今まで使っていたaudio pro スピーカー AVANTO FS-20というトールボーイスピーカーが置けなくなり、パソコンデスクのある部屋に移動していた。
あまり鳴らす機会もなかったのでaudio pro FS-20で久しぶりに聴きたくなり、最近AIYIMA TPA3255 デジタルステレオD級アンプを購入してみた。
(ちなみにJBLのペブルスはアンプ内蔵アクティブ型スピーカーなので、別途アンプは必要なかった。)
AIYIMA TPA3255 デジタルステレオD級アンプにaudio pro FS-20をつなげてBGM再生してみると、私が座っている真横にLchスピーカーを設置しているため、耳障りでBGMどころか直接音が気になって仕方がない。
遠い方のRchスピーカーに関しては背中越しに聴いている状態で、BGMとはいえまともな再生音になるはずもなかった。
例えば、ビル・エヴァンストリオのビレッジバンガードのライブ音源では、私のすぐ近くにあるLchスピーカーから鳴るスコット・ラファロのウッドベースばかりが気になって、Rchスピーカーから鳴っているはずのビル・エヴァンスのピアノが耳に入ってこない。
これでは、いくらBGMだとしても違和感がありすぎて落ち着かない。
自分の背中越しから遠く後ろにあるRchスピーカーの音も聴こえるよう調整したいが、残念ながらAIYIMA TPA3255 デジタルステレオD級アンプは左右のバランス調整つまみが無い。
試しにパソコンの設定で左スピーカーの音量を下げて聴いてみたのだが、なぜか音質的に満足がいかなかった。
そこで、AIYIMA TPA3255 デジタルステレオD級アンプが、2023年6月現在まだ発売されていたので、もう1台同じものを購入し左右独立アンプで個別にスピーカーの音量調整を試みることにした。
ちなみに写真の上段のアンプはRch用で、下段のアンプはLch用として使っている。
それぞれのボリュームの位置を見てお解りいただけると思うが、私の環境の場合LchのスピーカーがPCで作業をするのに座っている場所の真横にあるので、下段のLch用のアンプのボリュームは絞り気味で、Rchスピーカーは遠いところにあるので上段Rch用のアンプのボリュームは上げ気味にしている。
今回のステレオアンプの2台のつなぎ方は、Lch(左)スピーカーに対して左側用のアンプのLchスピーカー端子にスピーカーケーブルを繋げ、音源側からのRCAケーブルもLchのみ入力している。
右スピーカーに対しても右側用のアンプのRchスピーカー端子にスピーカーケーブルを繋げ、音源からの入力用のRCAケーブルもRchのみで左右独立で音源からとスピーカーへと接続する。
【配線の写真】
この方法は、ステレオアンプの片側チャンネルしか使用しないことになり、無駄が多く贅沢な使い方だが、左右の音量調整が出来るだけでなく実は音質までも大幅に向上する。
通常のステレオアンプには、左側のLチャンネルと右側のRチャンネルの2つのモノラル増幅回路(アンプ)が一つの筐体に組み込まれている。
理想は、個別にモノラルアンプをLchスピーカーに1台、Rchスピーカーに1台を使用することが無駄がなく音質面で最適だと思うが、今持っているアンプから買い替えるのはコストがかかる。
BGM再生では、こだわっても音質の違いがわからないと思われるかもしれないが、心地よく豊かな音楽がバックグラウンドで流れるともう元にはもどせない。
たとえBGMだとしても、できることなら音質を重視しつつ、左右の音量バランスを自在に調整できる左右独立アンプをおすすめしたい。
左右独立アンプの利点
ポイント👉音質や音場感が向上する!
ポイント👉プリアンプも2台独立アンプにすればトーンコントロールの個別調整が可能となる。
ステレオアンプを2台使用するという手法は、その昔オーディオ評論家の故江川三郎氏が提唱していたと記憶している。
確か音の良いパイオニアの ステレオプリメインアンプ A-D1(もしくはA-D3?)を2台使って実験していたと思う。
江川氏はレゾナンスチップを勧めていたり、スピーカーユニットのボイスコイルをほどいたり、エッジに手を加えたりするなど、独自の観点から音質改善に取り組んでいた。
現在でも、江川氏の手法や考え方に基づいた商品が受け継がれている。
江川氏が提唱していたとおり、2台のステレオアンプの片側chだけを使ってでも、左右のスピーカーを独立したアンプで駆動すると音の明瞭度がアップし、音楽が活き活き聴こえてくる。
アンプの回路や電源が左右独立していることが、音質的に有利になるということを今更ながら体感した。
パソコンの設定で左右のバランス調整を行うことも可能なのだが、音質にこだわるのであればパソコンの設定よりもアンプを2台使用することをおすすめする。
今回、スピーカーを左右に独立でアンプを使用することで、バランス調整だけでなく音質が格段に向上することが分かった。
音離れや耳馴染みも良く、空間に音が漂っている時間が長く感じられる。
正直にいうと、1万円を切るデジタルアンプといえど、もう1台同じステレオアンプを購入することに対して少しためらいもあった。
しかし、いざ導入してみると非常にコスパが高く良い音質改善方法だったと思う。
左右独立したアンプの利点は、筐体ごと回路や電源が左右に独立しているため、左右chの相互干渉やノイズの影響を受けにくく音質に有利に働くというのはどうやら本当のようだ。
結果として、アンプを2台使用することで左右のバランスを自在に調整できるだけでなく、音楽の情報量や豊かさを向上させることができた。
金銭的な負担や少し勇気が必要かもしれないが、価値ある投資となることだと思う。
もし、ピュアオーディオでもアンプの買い替えを検討している方は、モノラルアンプを2台使用することで音質の向上が期待できる。
最近のデジタルD級アンプは、モノラルタイプも発売されているので、左右独立アンプを試してみると良いと思う。
きっと左右独立アンプは、今までにない素晴らしい音楽体験を得られるはずだ。
また、左右の音量バランスの調整だけでなく、プリアンプも2台導入すると個別にトーンコントロールも可能となる。
オーディオルームの左右の音がそろわない場合、左右個別に低音と高音の細かな調整が可能になるので音像定位の改善の助けになる。
これによって、ルームチューニングで難しかった左右の高域や低域の音質の統一感の乱れが改善される。
アンプを2台使用する方法は贅沢なようだが、豊かな音を実現するための手段の一つとして想像以上にコスパが高いと思う。
ピュアオーディオの方も、まずは手始めに小型のD級アンプから初めて様子を見るとよい。
左右独立アンプにするとによって最近の小型D級アンプでも、3WAY4スピーカーのトールボーイFS20を音楽性豊かに鳴らすことできる。
更にケーブルや電源の取り方などを吟味すれば、更に高音質にできるポテンシャルを感じた。
audio pro スピーカー AVANTO FS-20 [ペア]
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