アナログレコードのハウリング対策をして高音質を目指すには?
【もくじ】
ハウリングは繰り返されるフィードバック
レコード再生をしていて、突然 「ボーーーー」という低周波が響き出す。
それはハウリングといって、スピーカーから再生される音が床を振動させてオーディオラックなどへ伝わり、それがレコードプレーヤーを振動させ、レコード針がその振動を拾い低音信号をアンプに送り込み、更にスピーカーから低音が鳴り、床からの振動がレコードプレーヤーにフィードバックされる循環である。
ハウリングはいきなり「ボーン!」とは鳴らず、徐々に「ポーー」から「ボワ~ーーーー」と大きくなり、上記のように一度鳴りだすと針が拾った振動で低周波を発生させ、巡り巡ってまた針に戻ってくるという繰り返し起こり、ボリュームを下げないとなかな止まらない。
音量を上げて聴く為には、ハウリング対策が必要不可欠
オーディオ機器は外部の振動で音質に影響を受ける。
特にレコードプレーヤーは振動に敏感で、ハウリングが起こると大きな音で音楽を再生できない。
小音量でBGMを流すのであれば、あまり気にすることは無いが、ドラムやベースなどの楽器の音をしっかりと聴きたいのであればハウリングは解決しなければならない問題である。
問題が起きれば、原因を突き止めて、対策しなければならない。
ハウリングの原因を対策するには、レコードプレーヤーに振動を伝わりにくくする必要がある。
その振動が伝わる原因を突き止めなければならない。
スピーカーからレコードプレーヤーの経路で、どこがウイークポイントになっているかを調べて振動対策をする事が必要。
ハウリング対策の近道はハウリングマージンを知ること!!
ハウリングの原因を調べるためには、レコードを再生してみて確かめる方法でも良いが、曲によっては常に低音楽器が鳴っているわけでもないのでハッキリと原因をつかみにくい。
そこで、音楽再生をせずともハウリングを発生させる方法がある。
ハウリングマージンの調べ方
①レコードプレーヤー、アンプともに電源を入れておく。
②ターンテーブルにレコード盤を載せておく。
③アンプのボリュームを絞っておく。
④ターンテーブルは回さない。(これが重要)
⑤止まっているレコード盤の外周あたりに針を下ろす。
⑥アンプのボリュームを徐々に上げていく。
⑦ボーーっと鳴り始めたポイントのアンプのボリュームの位置を確かめる。
上記の⑦のアンプのボリュームの位置が、今の自分のオーディオシステムのハウリングマージンである。
お解りだと思うが、このボリュームの位置が大きけれ大きいほどハウリングマージンが稼げていることになる。
■ハウリングマージンの状態
振動対策前、アンプのボリュームが10時ぐらいで、パワーメーターの針が真ん中当たりまで動いている。(ハウリングは発生している状態)
アンプのボリュームが12時前くらいでも、アンプのパワーメーターが動いていない。
振動対策をした結果、ハウリングマージンがアンプのボリュームで12時前まで稼げている状態。
ボリュームの位置を時計の短い針に置き換えてみて、ハウリングマージンが9時の位置だとか10時、0時を回って2時だとか言ったりする。
普通のシステムの場合、0時を回っていればまずハウリングは起きないのではないだろうか?
しかし、プリメインアンプのボリュームを0時よりまだ上げていくのは、初めての場合勇気がいると思う。
またレコードに針を落としている状態なので、くれぐれもボリュームの上げすぎには注意が必要。
下手をすると何かのショックで、スピーカーを破損しかねない。
ハウリングマージンの確認は慎重に自己責任で行って頂きたい。
振動対策でハウリングマージンを稼ぐ
ハウリングマージンを稼ぐ、いわゆる出来るだけ音量を上げてもハウリングが発生しないようにする為には振動対策を行う必要がある。
振動対策は、スピーカーから床を経てレコードプレーヤまでの経路で行うのだが、まずは音の発生源であるスピーカー側から対策をし最後にレコードプレーヤー側に対策を施すという手順を行うとよい。
なぜかと言うと、ハウリングが発生しない場合でもスピーカーから発する振動が部屋を共振させ余分な音が加わったり、オーディオラックに振動が伝わり更にオーディオ機器を振動させてしまうので、しっかりとスピーカー側で振動対策をするほうが、全体的に影響が少なくて済むのである。
振動対策について詳しく説明すると長くなるので、詳細は関連記事などを観ていただきたいが、大まかに言うと以下の①から⑦の順に行うことがよろしいかと思う。
<振動対策の手順>
①スピーカーやレコードプレーヤーは、できるだけ部屋の中で丈夫な床の位置に置く。
②スピーカーの設置箇所の床をオーディオボードなどで補強する。
③スピーカー(スピーカースタンドも)をガタツキなく設置する。
④スピーカーとスタンドの間にインシュレーターを挟む。
⑤オーディオラックや家具などは、振動に強いものを選ぶ。
⑥オーディオラックや家具の天板や棚板などにオーディオボードや人工大理石を敷いてみる。
⑦最後の手段として、レコードプレーヤーにインシュレーターを敷く。
以上、レコードプレーヤーをオーディオシステムに導入している場合は是非ハウリングマージンを確認して、振動対策を行ってみていただきたい。
レコード再生でハウリング問題が解消されるだけでなく、CDプレーヤーやその他デジタル機器などに対しても振動対策が活きてくるので、システム全体の音質アップにつながってくる。
「振動を制するものがオーディオを制す」
言葉では簡単だが、実際はなかなか難しい問題だ。
私自身のオーディオルームは和室の畳敷きの為か、床がウイークポイントになっており、音量を上げるとハウリングが起こる。
できるだけ、レコードプレーヤーのインシュレーターの下に更にゴム系のインシュレーターを敷きたくない(情報量が落ちることがある為)ので、ハウリングマージンを稼ぐのに色々と探っている最中でなのである。
昨夜、何とかしてゴム系のインシュレーターを使わない方法を何通りか考えてみたけれどダメでした。
— 🗣audiojazz/人生を豊かにするオーディオ幸福論 (@audiojazz1969) 2020年8月8日
木片や金属スパイクなど、どれも振動を遮断できず。
結局、コーリアンボードに鉛インゴット乗せて、ソルボセインを敷く事になる。🙄
ハウリングマージンの調べ方は知っておいて損はないですよ🗣 https://t.co/pQDBorGQbb pic.twitter.com/yakUNV8cCq
✳️レコードプレーヤーの高音質化のまとめ
さらなる高音質を目指す方は👇こちらから
2020年8月29日追記
2020年8月9日 新規投稿