針圧計を使ってカートリッジの音質を知る
レコードプレーヤーのトーンアームに取り付けるカートリッジには個々に適正な針圧がある。
カートリッジを購入すると取説に推奨針圧や適性な針圧の範囲が記載されている。
適正な針圧にするためは、レコードプレーヤーのトーンアームに取り付けられているカウンターウエイトの目盛りを適正針圧と同じグラム数にあわせるのだが、果たして本当に正しく針の圧が掛かっているのだろうか?
解決策は簡単!
針圧計で測れば分かること。
アナログレコードをオーディオシステムに導入するのなら、針圧計は必需品と思っておいた方が良い。
人間の目分量だけは正確に針圧は図ることが出来ないから、、
【もくじ】
本当に正しい針圧になっているのか?<2つの疑問>
アバウトな、カウンターウエイトの目盛り
レコードプレーヤーのトーンアームのカウンターウエイトに針圧を合わせるための目盛りが刻まれてる。
私のレコードプレーヤー TEACのTN-3Bでは、カウンターウエイトの目盛りが「0」 「0.5」 「1」 「1.5」 「2」 「2.5」と刻まれており、その隣り合わせの数字と数字の間にも目盛りが刻まれているが数字は表記されていない。
目盛りの数字が0.5gずつなのでその半分の目盛りは0.25g刻みとなるのだが、それ以上の細かい目盛りが無い。
カートリッジには、適正針圧というものが個々にメーカーによって定められている。
トーンアームのゼロバランス調整をしたことがある方はお解りだと思うが、ウエイトの位置をほんの少し動かしただけでも、トーンアームは精密な天秤の様にどちらかに揺れ動く。
トーンアームのゼロバランスは、目で見てアームが水平になっているかどうかの判断ができるが、カートリッジの針圧については、カウンターウエイトに刻まれている目盛りを頼りにして合わせることになる。あんなに細い針先への圧力をこんなアバウトな調整で良いのだろうか?
私の購入したTEACのレコードプレーヤーに付属しているオーディオテクニカのカートリッジの適正針圧は2・0gなので、トーンアームのゼロバランスをとった後、カウンターウエイトを2.0の目盛りの位置に合わすだけでよかった。
この間、オルトフォンのカートリッジに取り替えてみたが、このオルトフォンのカートリッジの適正針圧は1.8gだ。
適正針圧1.8gをカウンターウエイトの目盛りをつかって合わせようとすると、「1.5」と「2」の間に刻まれている目盛り(1.75)よりもほんの少し「2」寄りにするというようにアバウトな調整をする事になる。
針圧調整の2つの疑問
<疑問1>
目分量でカウンターウエイトを調整し交換したオルトフォンのカートリッジは、正確に針圧が1.8gになっているのだろうか?
<疑問2>
TEACのレコードプレーヤー付属のオーディオテクニカのカートリッジの適正針圧2.0gが、カウンターウエイトの「2.0」という目盛りに合わせるだけで正確な針圧2.0gになっているのだろうか?
今回はその2つの疑問を確かめる為に、針圧計を購入しそれぞれのカートリッジの針圧を調整してみた。
針圧計を購入
いろんなメーカーの針圧計が販売されているが、シンプルに針圧を計測するだけの価格の安めのもので十分だと思う。
リーズナブルな針圧計をAmazonで購入してみた。
箱の中身は、本体、ボタン電池と校正用の5gのウエート、ケース
本体裏にボタン電池を2つ入れる。
真ん中の電源ボタンを押すとしばらくして、「88888」と言う数字が表示される。
しばらくすると「0.00」に切り替わる。(電子体温計と同じような感じ。)
下の写真の様に付属のウエートで校正をすることができる。
5gのウエートで、5gが表示さていると正常に計測出来る。
針圧計の使い方
*前提として、針圧調整をする前に必ずレコードプレーヤーの水平に設置していること。
【 手 順 】
①ターンテーブルからターンテーブルシートを外す。
②アンチスケーティング目盛りを0にする。
③トーンアームのゼロバランスを調整する。
カウンターウエイトを動かさず、目盛りだけ0に合わせておく事。
④針圧計をターンテーブルの上に乗せる。
・電源ボタンを押す。
・液晶が光る。
・しばらくすると「0.00」という表示になり準備完了
⑤カウンターウエイトを回して、目盛りを適正針圧(付近)に合わせておく。
(この時点では、大体で良い。)
⑥針圧計にカートリッジの針を乗せる。
⑦針圧計の数値が適正針圧になるようにカウンターウエイトを回して調整する。
⑧アンチスケーティング目盛りを適正針圧付近に合わせる。
カウンターウエイトの目盛りは、針圧計で合わせた位置になっている。
アンチスケーティングの目盛りは、オルトフォンの針圧(1.8g)と同じ1.8付近にした。
注意!
誤って針を痛める恐れがあるので、トーンアームリフターを使って、レコードに針を落とすように、ゆっくりと針圧計にカートリッジの針を乗せることをおすすめしておく。
針圧計で測定(調整)の結果
<疑問1>の結果
オルトフォン 2MRED MM型カートリッジにて
適正針圧 1.8g
調整の結果、カウンターウエイトのメモリの位置は確かに、「1.5」と「2」の間の真ん中にある目盛り1.75g付近よりやや「2」側に振っている。
針圧計で1.80gに合わせたが、カウンターウエイトの目盛りも概ねそのようになっていると見受けられるが、針圧計を使う前の私の目分量ではもう少しだけ「2」よりにしていた。
<疑問2>の結果
オーディオテクニカ VM型カートリッジにて
適正針圧 2.0g
オーディオテクニカ VM型ステレオカートリッジ AT-VM95E
手順は、上記と同じ。
オルトフォンのカートリッジが適正針圧1.8gだったところをこのオーディオテクニカでは、2gに合わすだけだ。
針圧計の表示を元にカウンターウエイトを回すと、1mm程目盛りよりずれていた。概ねカウンターウエイトの目盛りの「2」のところを示していたが、ピッタリではなかった。
以上のとおり、針圧計を使うと正確に調整が可能となる。
正確に針圧調整し、カートリッジ個々の音質を把握した上で、針圧を強めにしたり、弱めにしたりすることで自分の好みの音質に調整すると良いと思う。もし、色々触りすぎて本来の音がわからなくなった場合にも、この針圧計があればいつでも適正針圧に戻ることができる。
音を聴いてカウンターウエイトで針圧を調整し、バッチリ好みの音質にハマった場合は、すかさず針圧計で今の状態の針圧を測って記録すると良いと思う。
(最後に)
手順の最初にも書いたが、レコードプレーヤー本体が水平に設置されていないと針圧調整をしたところで正確なトレースが望めないので、高音質でレコードを再生するためには、レコードプレーヤー本体の振動対策と水平調整は事前に行う必要がある。
振動対策などレコードプレーヤーの高音質化について記事にまとめているので良かったら参考にしてみて欲しい。
⭐レコードプレーヤーの使いこないのまとめ記事はコチラ👇
針圧計を使って、適正針圧で鳴っているレコードの音を基準に定めておくと今後のチューニングの基準となる。
針圧計の数値で合わせておくことの安心感も得られる。
疑問に思うことや、不安なことは、早めに解決しておいたほうがイイ!
今日も1週間ぶりのレコードを楽しんでいる。😊
— 🗣audiojazz/団地住まいのサラリーマンによる人生を豊かにするオーディオ幸福論 (@audiojazz1969) 2020年4月4日
針圧計を購入し測ってみたらけっこうズレていた。🤭
針圧計をみながら調整するとカートリッジの本来の音質傾向がこうだったのか!
と改めて理解できた。🤗
基準の音が解るという安心感がいい。😌
audiojazz’s blog https://t.co/nvnGbiXOrl
2020年4月6日