初めてのMC型ステレオカートリッジ DENON DL-103
歴史あるMC型カートリッジ DENON DL-103
初めてのステレオMC型カートリッジを購入した。
いろいろ悩んだ結果、超定番と言われている DENON DL-103というMC型カートリッジにしてみた。
DENONのホームページには、以下のようにシンプルに記載されている。
https://www.denon.jp/ja-jp/shop/denonapac-turntablecartridges_ap/dl103_ap
・2020 VGP金賞 カートリッジ(3万円以上10万円未満)
・ 信頼のMC。放送局で活躍。
・-現在も第一線で活躍。
NHKと共同開発で作られたとのことで、50年以上の歴史のあるMC型カートリッジである。
こんなロングランな製品は、よほどの信用がないと実現できないと思う。
レコードプレーヤーのカートリッジは、「DL-103に始まってDL-103に終わる。」という記事もチラホラ見受けられ、その言葉に背中を押されて購入に至った次第である。
DL-103の高さが「15mm」であるが故に
私の初めてのレコードプレーヤーTEACのTN-3Bには、標準カートリッジとして、オーディオテクニカのVM型(MM型と同等)のAT-VM95Eというものが付属していた。
後にオルトフォンのヘッドシェル付きの2MREDという真っ赤なMM型のカートリッジを導入して使いこなしに精を出していた。
更に最近はモノラルのレコード盤を購入したことをきっかけに、モノラルカートリッジを導入。
モノラルカートリッジで鳴らなすモノラルレコードの音の素晴らしさに衝撃を受けた。
オーディオテクニカのAT-MONO3/LPという高出力MC型モノラルカートリッジで、MC型モノラルの中では、安くて評判の良いカートリッジだ。
プリメインアンプでPHONOのMC入力を使うのも初めてだったので、この音の良さはMC型に起因しているのではなかろうか?
そのうちに、ステレオカートリッジでもMC型に変えると、MM型では味わえない何かがきっとある!という期待を膨らませながらのDL-103の購入だった。
しかし、このDL-103がなかなか上手く鳴ってくれなかったのである。
悪戦苦闘しているうちに、ふと疑問に思ったことがあった。
それは、DLー103というカートリッジの背の高さが15mmという事。
TEACのレコードプレーヤー付属
オーディオテクニカVM95Eの高さが17.2mm
オルトフォンの2MREDの高さが18mm
それらに比べて、DL-103の背の高さが2〜3mmも低い。
たとえ、それぞれのヘッドシェルの違いがあれど、こんなに低くてはTEACのトーンアームとの相性はどうなのだろうか?
オヤイデのスペーサーの挿入
カートリッジによって高さの違いはあるのはわかるが、DL-103の高さ15mmは低過ぎはしないだろか?
もっと上級機のプレーヤーはトーンアームのベースの高さ調整が出来るものがあるが、TEAC TN-3Bはマニアックな調整が出来ない。
そうならば、カートリッジ側で高さを調整するか、ターンテーブル側で高さを調整するしかない。
しかし、、ターンテーブルに新たなターンテーブルシートを導入し高さを稼ぐとなるとカートリッジを変える毎にターンテーブルシートもその高さに合わせて変える必要がでてくる。
少しでも精度を高くして調整するならばカートリッジ側で個別に高さを調整する方が良い。
そこでうってつけな方法として、ヘッドシェルとカートリッジの間にスペーサーを挿入する事にした。
オヤイデのMCS-CFという製品。
出来ればヘッドシェルにダイレクトにカートリッジを取り付けたかったのだが、背に腹は変えられない。
オヤイデのスペーサーは、0.5mmと1mmと1.5mmがそれぞれ1枚づつ入っており、それらを組み合わせて調整していく。
最初は1mmをDL-103と一緒に購入したオーディオテクニカのMCS-CFをヘッドシェルAT-HS10との間に挿入した。
細かい作業が苦手だが、DL-103とスペーサー、ヘッドシェルを何とか取り付けて期待を膨らせながらレコードに針を落とす。
第一印象は、なんじゃこりゃ?
期待外れもいいとこ。
全然、音が良くない。
エージング不足なのか?
何度もカートリッジのオーバーハングを調整し、トーンアームのゼロバランス調整、更にアンチスケーティングの調整をするも一向に良くならない。
針圧も針圧計で、きっちり2.5gに合わせている。
後日、昔からレコードプレーヤーでオーディオをやっている会社の先輩にDL-103はエージングに時間がかかるのか?と尋ねてみたが、先輩が言うには「DL-103を今まで針先の消耗で2回くらい新たに購入し続けているが、毎回新しいDL-103に取り替えるたびに音の良さに感動する!」と言う。
どうもエージングで大化けするわけではなさそうだ。
水準器とゲージで再調整しまくる
レコードプレーヤーをオーディオラックに設置する際は、必ず水平に設置しなければならない。
初めてレコードプレーヤーを再生した時、ハウリングに悩まされて、レコードプレーヤー本体とターンテーブル自体はすでに水準器で水平になるよう徹底的に調整している。
[rakuten:rijapan:10007133:detail]
しかし、トーンアームのゼロバランス調整やカートリッジの傾き調整は目分量で行っていた。
これもきっちりゲージを買って調整する必要があると思い、水準器付きゲージを購入した。
いざゲージで測ってみると、アームのゼロバランスも水平から少しずれており、カートリッジの左右の傾きやアジマス(カートリッジの首かしげ)もずれていた。
これらを徹底的に調整しまくった結果、気持ち悪い音像の定位は改善出来たが、モノラルカートリッジを初めて聴いた時のような感動が味わえない。
これならば、オルトフォンのMMカートリッジのほうがよっぽど良い。
スペーサーを1mm→2mmに変更
他に何が出来るか考えた。
DL-103の高さ15mmに対して1mmのスペーサー。
という事は、高さが16mmになっただけで、レコードプレーヤー付属のカートリッジの17.2mmよりまだまだ低い。
1mmのスペーサーを取り除き、1.5mm と0.5mmのスペーサーを重ねて2mm厚のスペーサーとしてヘッドシェルとDL-103の間に挿入した。
これで高さが17mmとなる。
スペーサーの挿入で重すぎにならないか心配したが、カウンターウエイトもカツカツだがきっちりゼロバランス調整が出来た。
カートリッジの傾きやアジマス、オーバーハングの調整も徹底した。
そしてレコードに針を落とす。
かなりマシになった。
最初の頃とは大違いだが、全然オルトフォンやオーディオテクニカのカートリッジに追いついていない。
レコードを再生しても、喜びや感動、ノリ、輝き、広がりが一向に感じられない。
ヘッドシェルの再選定
DL-103に対してヘッドシェルのAT-HS10が弱いのか?
DL-103とよくセットになっているオーディオテクニカのMG-10
このヘッドシェルは前々から知っているが、カートリッジの取り付けビス穴が何箇所あるもののオーバーハングの微調整が出来ないので候補から外していた。
他に軽量でリーズナブルなヘッドシェルとなるとオルトフォンのSH-4となる。
今まで使っていた2MREDと同じヘッドシェルなので、面白くないと思って避けていたが、色違いの黒があるのでDL-103にもオルトフォンのSH-4ヘッドシェルを付けてみる事にした。
めげずに、ゲージや水準器を使い徹底的に調整した。
高級なシェルを購入した訳でもないので、あまり期待をせずにレコードに針を落とした。
そして愛用のスピーカーであるスーパースワンから音が出た瞬間に、
キター!!!
コレだー!!!
レンジが一気に広がり、定位もバッチリ、マイルス やコルトレーンが舞い降りた!
【e-onkyo music】ハイレゾ アルバムランキング見てみる?
ギル・エヴァンス・オーケストラとマイルス・デイビスの共演
ステレオバージョンだが、オーケストラの鋭いフォーン楽器からの1曲目の出だしが飛びかかってくる様にはビックリした!!
【e-onkyo music】ハイレゾ アルバムランキング見てみる?
驚く事に今までスーパースワン で聴いた事の無い低音が鳴り響く。
曲によってはハウリングが出てくるので、外していたソルボセイン を再びレコードプレーヤーの脚の下に敷いた。
以前はソルボセインを外した方が音が良かったのだが、今回は問題が無さそうだ。
更に用意していたORSONICのディスクスタビライザーを満を辞して取り付けると更に見通しが良く、さっき驚いた低音もスポイルされなかった。
ようやく辿り着いた!
やっと感動に包まれる至福の時を迎える事が出来たのだ!
これでDENON DL-103が未だにアナログレコード愛好家から愛されている事がよく理解できた。

DENON - DL-103(MC型カートリッジ)【在庫有り即納】
- 価格: 37295 円
- 楽天で詳細を見る
DL-103は高さに注意!(高くすれば良いわけでは無い!)
その後、コーリアンボードの交換やスピーカーのインシュレーター交換などで、スペーサーは1mmだったり、1.5mmだったり、2mmでバランスがとれたりと都度変動している最中。
カートリッジには、それぞれの背の高さに意味があるかもしれない。
針をレコード盤におろすとカートリッジの高さが低ければ前屈みになって針が落ちる事になるが、これはこれで意味があるはず。
しかし、言えることは、オヤイデのスペーサーがあると調整の幅が増えて、他の箇所のセッティングを変えた場合に大変重宝するのでおすすめなアイテムには違いない。
DL-103はヘッドシェルに注意!
しっかりした共振の少ないヘッドシェルを使いたいが、軽量級のレコードプレーヤーではゼロバランスさえ取れなくなる可能性があるので、取説に記載されている範囲内が良い。
しかし、軽量のヘッドシェルでも高音質になる方法がまだあった!!
DL−103というカートリッジが、超定番だけでは済まされないカートリッジに化けたのである!
、、、その方法とは?!
👇
[rakuten:mikidj:10008042:detail]
2020年9月22日 更新
2020年7月5日