初めてのMC型ステレオカートリッジ DENON DL-103
アナログレコードプレーヤーを買うと概ねMM型やVM型のカートリッジが付属している。
アナログレコードの醍醐味としてカートリッジを交換して高音質化を図ったり音の違いを楽しむことがあげられるが、遅かれ早かれ付属のカートリッジとは異なるMC型カートリッジに必ず興味が向くはずだ。
「でもMC型カートリッジはどれを買うとよいのだろうか?」
この質問をオーディオマニアやショップの店員さんに投げかけるとかなりの高い確率でDENONのDL-103を勧められると思う。
”MC型カートリッジを語るには、DL-103は避けて通れない!”
”MC型カートリッジは、DL-103に始まってDL-103に終わる!”
”DL-103でまともな音がならないシステムはダメだ!”
などなど、、DL-103ほどロングセラーになると色んな人がいろんなことを言う。
DL-103はMC型のカートリッジの中では低価格ほうなので、ビギナーからベテランマニアまで今だに人気が高く今でも製造され続けている。
しかしアナログレコードの世界は買ってポンと取り付けるだけでいい音が鳴るとは限らない。
超定番のDL-103といえど、使い方ひとつで音がコロコロ変わる。
そして、使いこなしをしていくにつれMC型カートリッジDENON DL-103は感動の音質もたらせてくれるようなる!
【もくじ】
歴史あるMC型カートリッジ DENON DL-103
初めてのステレオMC型カートリッジを購入した。
いろいろ悩んだ結果、超定番と言われているDENON DL-103 というMC型カートリッジにしてみた。
DENONのホームページには、以下のようにシンプルに記載されている。
https://www.denon.jp/ja-jp/shop/denonapac-turntablecartridges_ap/dl103_ap
・2020 VGP金賞 カートリッジ(3万円以上10万円未満)
・信頼のMC。放送局で活躍。
・現在も第一線で活躍。
NHKと共同開発で作られたとのことで、50年以上の歴史のあるMC型カートリッジである。
こんなロングランな製品は、よほどの信用がないと実現できないと思う。
レコードプレーヤーのカートリッジは、「DL-103に始まってDL-103に終わる。」というコメントもチラホラ見受けられ、その言葉に背中を押されて購入に至った次第である。
DL-103の高さが「15mm」であるが故に?
私の初めてのレコードプレーヤーTEAC TN-3B-CHには、標準カートリッジとして、オーディオテクニカのVM型(MM型と同等)のAT-VM95Eというものが付属していた。
後にオルトフォンのヘッドシェル付きの
【1000本限定生産モデル】ortofon 2MREDSH4Rという真っ赤なMM型のカートリッジを導入して使いこなしに精を出していた。
更に最近はモノラルのレコード盤を購入したことをきっかけに、モノラルカートリッジを導入。
モノラルカートリッジで鳴らなすモノラルレコードの音の素晴らしさに衝撃を受けた。
オーディオテクニカのAT-MONO3/LPという高出力MC型モノラルカートリッジで、MC型モノラルの中では、安くて評判の良いカートリッジだ。
プリメインアンプでPHONOのMC入力を使うのも初めてだったので、この音の良さはMC型に起因しているのではなかろうか?
そのうちに、ステレオカートリッジでもMC型に変えると、MM型では味わえない何かがきっとある!という期待を膨らませながらのDENON DL-103 MC型カートリッジの購入だった。
しかし、このDL-103がなかなか上手く鳴ってくれなかったのである。
悪戦苦闘しているうちに、ふと疑問に思ったことがあった。
それは、DENON DL-103 MC型カートリッジの背の高さが15mmという事。
TEACのレコードプレーヤー付属
オーディオテクニカAT-VM95Eの高さが17.2mm。
オルトフォンの2MREDの高さが18mm。
それらに比べて、DL-103の背の高さが2〜3mmも低い。
たとえ、それぞれのヘッドシェルの違いがあれど、こんなに低くてはTEACのトーンアームとの相性はどうなのだろうか?
オヤイデのスペーサーの挿入で高さ調整
カートリッジによって高さの違いはあるのはわかるが、DENON DL-103 の高さ15mmは低過ぎはしないだろか?
もっと上級機のプレーヤーはトーンアームのベースの高さ調整が出来るものがあるが、TEAC TN-3Bはマニアックな調整が出来ない。
そうならば、カートリッジ側で高さを調整するか、ターンテーブル側で高さを調整するしかない。
しかし、、ターンテーブルに新たなターンテーブルシートを導入し高さを稼ぐとなるとカートリッジを変える毎にターンテーブルシートもその高さに合わせて変える必要がでてくる。
少しでも精度を高くして調整するならばカートリッジ側で個別に高さを調整する方が良い。
そこでうってつけな方法として、ヘッドシェルとカートリッジの間にスペーサーを挿入する事にした。
出来ればヘッドシェルにダイレクトにカートリッジを取り付けたかったのだが、背に腹は変えられない。
カートリッジスペーサーMCS-CFは、0.5mmと1mmと1.5mmがそれぞれ1枚づつ入っており、それらを組み合わせて調整していく。
最初は1mmをDENON DL-103 と一緒に購入したオヤイデの カートリッジスペーサーMCS-CFをヘッドシェルaudio-technica AT-HS10 BKとの間に挿入した。
細かい作業が苦手だが、DL-103とスペーサー、ヘッドシェルを何とか取り付けて期待を膨らせながらレコードに針を落とす。
第一印象は、なんじゃこりゃ?
期待外れもいいとこ。
全然、音が良くない。
エージング不足なのか?
何度もカートリッジのオーバーハングを調整し、トーンアームのゼロバランス調整、更にアンチスケーティングの調整をするも一向に良くならない。
針圧も針圧計で、きっちり2.5gに合わせている。
後日、昔からレコードプレーヤーでオーディオをやっている会社の先輩にDL-103はエージングに時間がかかるのか?と尋ねてみたが、先輩が言うには「DL-103を今まで針先の消耗で2回くらい新たに購入し続けているが、毎回新しいDL-103に取り替えるたびに音の良さに感動する!」と言う。
どうもエージングで大化けするわけではなさそうだ。
水準器とゲージで再調整しまくる
レコードプレーヤーをオーディオラックに設置する際は、必ず水平に設置しなければならない。
初めてレコードプレーヤーを再生した時、ハウリングに悩まされて、レコードプレーヤー本体とターンテーブル自体はすでに水準器で水平になるよう徹底的に調整している。
しかし、トーンアームのゼロバランス調整やカートリッジの傾き調整は目分量で行っていた。
これもきっちりゲージを買って調整する必要があると思い、水準器付きゲージを購入した。
いざゲージで測ってみると、アームのゼロバランスも水平から少しずれており、カートリッジを上から視たときの左右の傾きや正面から視たときの傾きもずれていた。
これらを徹底的に調整しまくった結果、気持ち悪い音像の定位は改善出来たが、モノラルカートリッジを初めて聴いた時のような感動が味わえない。
これならば、オルトフォンのMMカートリッジのほうがよっぽど良い。
スペーサーを1mm→2mmに変更
他に何が出来るか考えた。
DL-103の高さ15mmに対して1mmのスペーサー。
という事は、高さが16mmになっただけで、レコードプレーヤー付属のカートリッジの17.2mmよりまだまだ低い。
1mmのスペーサーを取り除き、1.5mm と0.5mmのスペーサーを重ねて2mm厚のスペーサーとしてヘッドシェルとDENON DL-103 の間に挿入した。
これで高さが17mmとなる。
スペーサーの挿入で重すぎにならないか心配したが、カウンターウエイトもカツカツだがきっちりゼロバランス調整が出来た。
カートリッジの傾きやアジマス、オーバーハングの調整も徹底した。
そしてレコードに針を落とす。
かなりマシになった。
最初の頃とは大違いだが、全然オルトフォンやオーディオテクニカのカートリッジに追いついていない。
レコードを再生しても、喜びや感動、ノリ、輝き、広がりが一向に感じられない。
ヘッドシェルの再選定
DENON DL-103 に対してヘッドシェルのAT-HS10が弱いのか?
DL-103とよくセットになっているオーディオテクニカのヘッドシェル [MG-10]
このヘッドシェルは前々から知っているが、カートリッジの取り付けビス穴が何箇所あるもののオーバーハングの微調整が出来ないので候補から外していた。
他に軽量でリーズナブルなヘッドシェルとなるとオルトフォンのSH-4となる。
今まで使っていた2MREDと同じヘッドシェルなので、面白くないと思って避けていたが、色違いの黒があるのでDL-103にもオルトフォンのSH-4ヘッドシェルを付けてみる事にした。
めげずに、ゲージや水準器を使い徹底的に調整した。
ゲージで内周、外周ともにカートリッジが目盛りに沿うように根気よく調整する。
水準器の気泡ができるだけセンターなるようにヘッドシェルとトーンアームとの取り付け箇所の”あそび”で調整する。
高級なシェルを購入した訳でもないので、あまり期待をせずにレコードに針を落とした。
そして愛用のスピーカーであるスーパースワンから音が出た瞬間に、
キター!!!
コレだー!!!
レンジが一気に広がり、定位もバッチリ、マイルス やコルトレーンが舞い降りた!
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ギル・エヴァンス・オーケストラとマイルス・デイビスの共演
ステレオバージョンだが、オーケストラの鋭いフォーン楽器からの1曲目の出だしが飛びかかってくる様にはビックリした!!
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驚く事に今までスーパースワン で聴いた事の無い低音が鳴り響く。
曲によってはハウリングが出てくるので、外していたソルボセイン を再びレコードプレーヤーの脚の下に敷いた。
以前はソルボセインを外した方が音が良かったのだが、今回は問題が無さそうだ。
更に用意していたORSONICのディスクスタビライザーを満を辞して取り付けると更に見通しが良く、さっき驚いた低音もスポイルされなかった。
ようやく辿り着いた!
やっと感動に包まれる至福の時を迎える事が出来たのだ!
これでDENON DL-103 MC型カートリッジが未だにアナログレコード愛好家から愛されている事がよく理解できた。
DL-103は高さに注意!(高くすれば良いわけでは無い!)
その後、コーリアンボードの交換やスピーカーのインシュレーター交換などで、スペーサーは1mmだったり、1.5mmだったり、2mmでバランスがとれたりと都度変動している最中。
カートリッジには、それぞれの背の高さに意味があるかもしれない。
針をレコード盤におろすとカートリッジの高さが低ければ前屈みになって針が落ちる事になるが、これはこれで意味があるはず。
しかし、言えることは、オヤイデのスペーサーがあると調整の幅が増えて、他の箇所のセッティングを変えた場合に大変重宝するのでおすすめなアイテムには違いない。
DL-103はヘッドシェルに注意!
しっかりした共振の少ないヘッドシェルを使いたいが、軽量級のレコードプレーヤーではゼロバランスさえ取れなくなる可能性があるので、取説に記載されている範囲内が良い。
【朗報!】軽量のヘッドシェルでも高音質になる方法がまだあった!!
DL−103というカートリッジが、超定番だけでは済まされないカートリッジに化けたのである!
その方法は、たった4cm「シェルリード線」を交換することだった。
これはかなり熱い!
👇DL103の感動音質は極上な音質に変えるシェルリード線とは??
✅カートリッジの使いこなしのほかにも高音質再生の手法を記事にまとめています。
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2020年7月5日