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やらなきゃ損です!アナログレコードの音質が向上!カートリッジの使いこなし方 

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レコードプレーヤーのカートリッジの音質向上対策

 

 レコードプレーヤーの楽しみ方としてカートリッジを交換する事がレコード愛好家としての楽しみの一つ。

 私は不注意で、購入したばかりのTEACのレコードプレーヤーに付属のカートリッジの針を購入後1ヶ月もしないうちに壊してしまった。 

 そして初めての試みとして、オルトフォンのヘッドシェル付きのカートリッジを購入し交換した。

 

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 カートリッジの交換による音の変化は予想以上に大きかった。

 だが、その音のは私の耳にしっくり来なかった。

 もしかしたら、オルトフォンのカートリッジを活かしきれていないかもしれない?

 そこで今回は、オルトフォンのカートリッジを使いこなしを試みた結果が上々だったのでご紹介させていただく事にした。

 

【もくじ】

 

カートリッジに対する音質向上対策の手法

 

 アナログレコードのカートリッジも対策すれば音が変わる。

 カートリッジはヘッドシェルに取り付けてトーンアームに接続されている。

 今回は、カートリッジに直接的に対策を施すというよりヘッドシェルへの対策といった方が正確かもしれないが3つの方法を検討し、そのうちの2つを実践した。

 

 以下の1.については未実施だが、オルトフォンの場合ネジの規格に注意が必要だとわかった。

 2.については、ヘッドシェルとカートリッジを繋ぐ4cmほどのシェルリード線を交換した。

 3.については、自作によって低価格で簡単にできる効果的なヘッドシェルへの対策をご紹介する。

 

 

1.ヘッドシェルへの取り付けネジ・ワッシャーの交換(未実施)

 

2.シェルリード線の交換(実践済み)

 

3.ヘッドシェルの防振対策(実践済み)

 

 

1.ヘッドシェルへの取り付けネジ・ワッシャーの交換

 
 オルトフォンの新しいカートリッジをこのまま無駄にしたくはなかったので、色々調べているうちにカートリッジのネジの交換が効果があると知った。

 これを是非試してみたいと思い、ヨドバシカメラのオーディオコーナーに行った。

 そこには、オヤイデ電気のカートリッジの交換用ネジとワッシャーのセットがショーケースに陳列してあった。

 

OYAIDE SCR-S レコードカートリッジ取り付け用 ネジ・ナット・ワッシャーセット

OYAIDE SCR-L レコードカートリッジ取り付け用 ネジ・ナット・ワッシャーセット

 

  カートリッジをヘッドシェルに取り付けるネジとワッシャーのセットは2種類あり、長い方と短い方のどちらを買えばよいのか?分からない。

 

 店員さんを探して、「オルトフォンのカートリッジに対応しているにはどちらか?」と質問すると、"オヤイデ電気とオルトフォンに問い合わせして、あとで携帯電話の留守電に回答する。"との事となった。

 

 しかし、その留守電には"どちらのメーカーにも問い合わせたが、明確な回答が得られなかった。"との事。


<注意点>

 後に自分でもネットで調べてみると、どうやらカートリッジのネジはM2.6というものが通常使われており、オルトフォンなど一部の海外製のもの中にはM2.5が使われていることを知った。

 

 それでM2.5のカートリッジ用の交換ネジを探したところ、オルトフォンのカートリッジにも対応できるをヘッドシェルに取り付けネジがAETから発売されてるものを見つけた。

  このネジは、固有の共振を避けるように中空構造になっており、しかもネジ1本がM2.6とM2.5の両方にも対応しているという優れものだ。

 

AET EVO-CSSH カートリッジ用ネジ4本(8.5mm/12.5mm 各2本) EVOCSSH
by カエレバ

 

 もちろん一般的なネジM2.6のみ対応のネジもAETから発売されている。  

AET エーイーティー カートリッジ用ネジ EVO-CSAL (10mm、12mm各2本セット)
by カエレバ

 

  

2.シェルリード線の交換

 

 カートリッジとヘッドシェルとを繋ぐシェルリード線は非常に細くて短い。

 音の出口であるスピーカーは、内部配線を交換するだけで音質が向上する事があるので、音の入口のカートリッジに対してもシェルリード線の交換は音質向上の手段の一つとして期待ができる。

 

 シェルリード線は、オヤイデやオーディオテクニカなどから発売されているが、私が実践したのは【KS-Remasata】というヘッドシェルのリード線の専門工房が作っているもので、非常に効果がありカートリッジの潜在能力が開花する。

  

 シェルリード線を交換するとスピーカーケーブルの交換のように、好みの音に出会えるかも知れない。

 いや、スピーカーケーブル以上に音の入口はシステム全体を支配しているかもわからない。

 シェルリード線については、オルトフォンの2MRED以外に、DENONの超定番MC型カートリッジDL-103とモノラルのオーディオテクニカ AT-MONO3/LP で交換した。

 とてもこの記事にはおさまらないので、下に3つのカートリッジのシェルリード線を交換した記事を貼っておく。

 ぜひお時間のある時にじっくり読んで頂きたい。(おすすめ!)

 

 【オルトフォン 2MREDのシェルリード線の交換】

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 【DENON DL-103のシェルリード線の交換】 

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【モノラルカートリッジAT-MONO3/LPのシェルリード線の交換】

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3.ヘッドシェルの防振対策

 
 バックロードホーンスピーカーでおなじみの長岡鉄男氏による2つのカートリッジの対策方法をご紹介する。

 

ヘッドシェルにカートリッジをブチルゴムで貼り付ける(未実施)

 

 最初の1.で紹介したように、カートリッジはヘッドシェルにネジとワッシャーで取り付けられている。

 

 このネジとワッシャーを使わずにブチルゴムの両面テープでカートリッジとヘッドシェルを接着するという手法が効果的だという。

 

 ブチルゴムテープの効果は長岡鉄男氏によると、針先の振動がシェルやトーンアームに伝わらない事と、逆にトーンアームやシェルが受けたターンテーブルなどの振動がカートリッジの針先に伝わらないようになり、とても繊細な音になるそうだ。 

 

 ブチルゴムは、昔からオーデイオマニアの間ではおなじみの防振対策アイテムの一つである。

 

スリオン 両面スーパーブチルテープ(1mm厚) 5931002050X15

 

 ブチルゴムテープは、もともとベランダなどに人工芝を貼り付ける強力な防水両面テープなのだが、低反発で防振性が高く、スピーカー(ユニットなど)の防振やオーディオ機器に直接貼ったり、適当な大きさにカットして何層か重ね張りをして防振効果の高いインシュレーターを自作することができる。 

 

 実際にスピーカーユニットにブチルゴムを貼って高音質化を計った事があるのでご参考まで。

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 尚、カートリッジをヘッドシェルに取り付ける位置や角度は重要で、正しく取り付けなければ高音質化どころか音に悪影響を与えかねない。

 ブチルゴムテープのような強力な両面テープでカートリッジをヘッドシェルに貼り付ける際は、事前にしっかりと位置決めをする必要がある。 

 他のカートリッジに交換する時も、カートリッジの位置決めとしてオーバーハング調整という作業が必要になる。

 アナログレコードプレーヤーを使いこなす上で、オーバーハング調整はけっこう重要なことなので事前に実施しておいた方が良い。

 

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自作の鉛リングワッシャーの作り方(実践→効果大!)

 

 一般にヘッドシェルの根元には、トーンアームとの接合部にあたるところにゴムのリング状のパッキンが初めから付いている。

 

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 オルトフォンのヘッドシェル付きカートリッジも始めからこのゴムリングが取り付けられている。

 

 

 このゴムパッキンの役割はトーンアームとシェルとの接合部でガタツキをなくすものでシェルリングワッシャーと呼ぶ。

 

 

 長岡鉄男氏によれば、「このゴムリングは出来ることなら外したほうが音が良い」とのこと。

 そこでガタツキが気になる場合は、鉛を使ってリングワッシャーを自作すると安くて音も良いとの事なので今回はこれに挑戦してみた。

 昔に使った鉛テープの残りがあるので、今回それを使ってリングワッシャーを作成する。

 鉛テープはオーディオ機器の防振対策用として今でも売られている。

 オーディオ機器やAV機器(最近の薄型テレビなどは特に)の防振対策に使うと効果的なので1つ持っておきたいアイテムの一つだ。

 

東京防音 制振防音テープ P-50 幅50mm×長1M×厚0.3mm 1本入
by カエレバ

 

 

<鉛リングワッシャーの作り方>

 

※写真はオーディオテクニカのヘッドシェル付きカートリッジだが、オルトフォンでも同じことである。

 

①シェルからゴムリングワッシャーを外す。

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②ゴムリングワッシャーを鉛テープの上に乗せて型を取る。

  

*写真は精密ドライバーのマイナスを使って鉛テープに型取りしたが、針でも、シャープペンシルでもやりやすい道具を使うと良い。

 

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③型に沿ってカットする。

 

*結構な細かい作業になるが、鉛は柔らかいので大体の大きさでも馴染んでくれるのであまり気にしないで良い。

 

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注意:ゴムのリングワッシャーほど伸び縮みしないので、シェルの根本に入れやすいように一部切断しておく。

 

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④これをシェルの根元に取り付ける。

 

手で伸ばしたりしながらなじませると良い。

少々輪っかの隙間があってもよいが、重ならないようにすること。

 

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⭐実際にオルトフォンのヘッドシェルのゴムリングワッシャーを取り外す。

 

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⭐自作の鉛リングワッシャーに取り替える。

 

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 後はトーンアームに取り付けて、また始めから0バランス調整、針圧調整、アンチスケーティングの調整をする事をお忘れなく。

 

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自作の鉛リングワッシャーで音質向上!

 

 音質については、事前にゴムリングワッシャーのままで2枚のレコードをじっくり聴き込んでから、自作の鉛リングワッシャーに取り替えて試聴した。



 結果、初めてオルトフォンのカートリッジに取り替えたときに感じた耳の奥にボーカルやサックスが押し込まれるような感覚はかなり薄らでだいぶ聴きやすくなった。

 

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 やはりシェルやトーンアームが鳴いて中高音に色付けされていたように思われる。



 鉛の自作リングワッシャーに交換してから、更にレコードを何枚か聴いているうちに音質がどんどん良くなっきたように感じた。

 

 

 私は週末ごとしかメインのピュアオーディオシステムでレコードを聴かないが、初めてオルトフォンのカートリッジを聴いた音とは明らかに異なっている。



 今までオーディオ機器やケーブル類などオーディオアクセサリーのエージングによる音の変化を幾度となく体験してきているので、カートリッジにもエージングが必要だと思った。



 カートリッジのエージングについては、ある商品の購入レビューなどで「48時間ぐらいで音が変わってきた。」とか、「レコードを10枚くらい再生した後から音が良くなってきた。」などエージングによる音の変化を肯定するものもあれば、否定するものも見受けられる。

 

 Twitterのフォロワーさんたちのコメントでは、エージング効果より針圧の調整のほうが音の変化に有効である事も教わった。

 そこで、針圧もオルトフォンのこのカートリッジの基準値が1.8gであるが、2g以上にしていくと確かに音が太くなる。

 逆に1.5g位にすると高域の繊細感は出るようだが、何か不安定な感じがする。

 今のところは、針圧計を使って正確にオルトフォンの基準値1.8gにしている。

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 アナログレコードプレーヤーの世界は繊細だとつくづく思う。

 ハウリングの対策もかなりシビアに行わなければならなかったが、対策すると確実に音質が向上する。

 

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 音の入口であるカートリッジは重要であり、ここがズレると音の出口であるスピーカーから発せられる音が大きくズレることになる。

  

 アナログレコードプレーヤーは、使いこなしによる音質の向上が顕著に現れる。

 レコードプレーヤーを買って組み立ててポンと部屋に置いているだけではもったいない。

 使いこなしによって音質が向上するにつれ、だんだんとレコード盤に刻み込まれたミュージシャンの美しくも熱い演奏がリアルに感じ取れるようになってくる。

 

 

 

 なるほど、アナログレコードは奥が深い。

 

 5万円ほどのレコードプレーヤーで、MM型、MC型、モノラル、どれもリーズナブルカートリッジしか使っていないのに、使いこなしによって音質の向上の幅が半端ない。

 

 もっと早くアナログレコードを導入するべきだったと改めて思う次第である。 

 

✳️レコードプレーヤーの高音質化のまとめ記事

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2020年10月30日 更新

2020年3月21日初回投稿

 

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