ユニットの防振対策
自作スピーカーでも、メーカー製スピーカーでも手をを加えて対策し高品質になる場合がある。
過去に使っていたメーカー製のスピーカーのユニットを外して防振対策をして大変効果があった方法がある。
その方法とは、スピーカーユニットに防振対策を施すというもの。
スピーカーユニットは、主に磁気回路、ボイスコイル、ダンパー、フレーム、振動板という構成になっている。
アンプから入力された音声信号を忠実に鳴らす事。鳴るのは振動板のみが理想だ。
安いユニットはフレームが薄く強度が低い。強度が低いとボイスコイルの動きをしっかりと受け止められず振動板のエネルギーが吸収されて情報量が減ってしまう。
フレームの強度が高くても受け止めた振動により磁気回路が共振を起こして振動板に伝わって振動板に余分な音が乗ってしまう。
今回は自作スピーカーのスーパースワン のユニットであるフォステクス FE108solをキャビネットから外して対策してみた。
FE108シリーズはフォステクス のスピーカーユニット中でも強力な磁気回路を備えており、それを支えるのはダイキャストフレームで非常に強度が高い。
今回は磁気回路のマグネットの防振対策をした。
方法は至って簡単。
ブチルゴムテープという人工芝などをベランダなどに貼る為の非常に強力な両面テープだ。
これは昔からオーディオ雑誌で取り上げてられており、これを好んで使うオーディオ評論家に金子氏がいた。
この方はオーディオボードやスピーカーキャビネット、ケーブル類のなんでもブチルゴムテープを使って対策していた。
その中で私の経験で最も効果のあったものの一つで、スピーカーユニットにブチルゴムテープで防振対策を施すことだった。
写真のようにコルクのシートをマグネットの大きさくらいに丸く切り取り、そこにブチルゴムテープを何枚か重ねて貼り合わせる。
たくさん貼れば効果も大きいのだが、今回は3枚重ねで様子を見る事とした。
これをそのままスピーカーユニットを裏向けてマグネットに貼るだけ。
昔のフォステクス のFE108Σと言うユニットはメーカーによりマグネットをゴムのような樹脂で覆われていた。
現在のFE108∑には樹脂カバーはついていない。下の写真は∑だが上の写真のsol
のマグネットの方が大きい。
FE108∑も強力な磁気回路を持ったバックロードホーンユニットだ。
本当はマグネットの外周にもブチルゴムテープを貼れば効果がさらに高くなるのだが、FE108solの磁気回路はかなり強力でスピーカーユニットをキャビネットの取り付け穴サイズにギリギリの大きさであるため、ブチルゴムテープを外周に巻くとキャビネットにユニットが入らなくなる。FE108∑だったら巻けると思う。
注意して欲しいのは、一度ブチルゴムテープを貼ると剥がすのに相当苦労するし指や爪の間が黒く汚れてそれがなかなか落ちない。
作業するときは周りにひっつかないよう注意して欲しい。
ユニットを慎重に取り付けしばらく休憩してから試聴した。
結果は、少し耳に付いていた高音がほぐれピアノの音が聴きやすくなった。
女性ボーカルの声の透明感も少し増した。
~2022年2月25日に最新限定ユニットが発売となりました!
しばらく鳴らしこんでからレビュー予定です!~
メーカーのユニットでも、特にツイーターやスコーカーに施すとかなり効果があるので、高音に不満がある場合はユニットを外す事に抵抗がなければ試してみる価値はあると思う。
最近のメーカー製のスピーカーはユニットの取り付けネジが見えない造りになっている。
audioproのトールボーイスピーカーFS-20のユニットをなんとか外して高音質化に成功した。
それも大成功でかなり満足の行く結果のなった。
他にもスピーカーへの対策を行っているので興味のある方は読んで見てほしい。
<自作インシュレーター>
ブチルゴムテープの活用方法として、簡単にインシュレーターをつくることができる。
ブチルゴムテープを数センチ角に切って
何層か重ねてあとはサランラップで巻くだけ。
これをスピーカーやオーディオ機器の足の下に敷くと振動が吸収され音質が改善される場合がある。
2021年5月11日追記
2020年1月20日初回投稿