オーディオから再生される音は、目で視るものである!
しっかりピントが合った音は楽器や奏者がリアルに視えてくる。
【もくじ】
リアルさを追求するオーディオ
オーディオ機器特有の音質評価
オーディオ雑誌など評論家のレビュー記事で目にする言葉がある。
・奥行き感がある。
・エコーが奥へ消えていく。
・音の粒細かい。
・ボーカルのボディーが引き締まっている。
・ボーカルが遠い。
・ボーカルの口がでかい、口が引き締まっている。
・ピアノの左手が明確だ。
・ホールの天井が高い。
・ウッドベースのボディーが、ひと回り大きい。
・ギターの弦の数が増えた。
・パーカッションが飛んでくる。
・地を這うような低音だ。
・ドラムとギターの位置が明確だ。
・輪郭が太い。
・見通しの良い音だ。
・波しぶきが飛び散るようだ。
・波の高さがよくでている。
・ボーカルと演奏の位置関係が手に取るようにわかる。
などなど
これらの音の表現は全て聴覚というより視覚で感じて表現される言葉である。
リスニングポジション
オーディオマニアのオーディオルームを雑誌やネットで見ると、正面に2本のスピーカーを設置し、スピーカーとスピーカーの間を底辺としてできる二等辺三角形の頂点にリスニングポジションを定めて椅子が置かれていることが多い。
これは、スピーカーやーオーディオ機器を眺めたいのもあるかもしれないが、スピーカーから再生される音楽をリアルに再現するために定位置を決めている。
そのリスニングポジションが定まるまで、スピーカーから発せられる音色(色も視覚的表現)や音像、音場をリアルに再現するために、ああでも無いこうでも無いとマニアは試行錯誤しているのである。
ドルビーサラウンドのスピーカー
映画ソフトなどのドルビーサラウンド5.1Chや9.1ch、DolbyAtmosなどを再生するために組まれているAVシステムは、スピーカを左右の2本に加えて、センターやリスニングポジションの前方、後方、上方、天井などに配置している。
これはソフト(DVDやブルーレイ、映画などのストリーミング)に各スピーカーに割り振るための音声信号がchごとに独立してソフトに記録されておりそれを各スピーカーから再生するためである。
このことにより、映画などの効果音が前後左右、更には高さ方向まで音が移動することになる。
ソフトに記録されている空間情報の再現
実は2chステレオのソフト(CDやレコード、ストリーミング配信など)にも3次元的な音場情報が記録されているものであれば、2本のスピーカーだけでサラウンドのような広大な音場が再現可能になる。
これは、3次元的に再生されるよう電気的(シンセサイザーなど)に加工された音源やワンポイント録音(ペアマイク録音)と言って2本のマイクのみでシンプルに間接音も録音されたものであれば左右の2CHのスピーカーだけで音場が3次元的に再生される。
またそれを強化する手法として、マトリックススピーカーというものがあり、記録されている間接音の成分(左右の差信号)を3本のスピーカーの配線を変えるだけでより明確に再現できてしまう。
マトリックススピーカーはサラウンドバックのスピーカーを使わずに、AVサラウンドでもピュアオーディオでも使える手法で、初めて聴いた人は他にスピーカーがあるのか?とキョロキョロ周りをみて探す程だ。
興味のある方は下の記事を参照してほしい。
しかし、自分の好みの音楽が3次元音場情報を録音をされているとは限らず、スタジオ録音の殆どがボーカールやそれぞれ楽器ごとにマイクを使って別々に録音されたものをあとでミックスして1つの曲に仕上がっているものが多いのが現実。
このような音源を巧みにエンジニアがリアルに聞こえるように仕上げているとはいえ、ワンポイント録音のように間接音、いわゆる三次元的音場信号が入っていない音源は純粋に2本のスピーカーで広大でリアルな音場は再現できない。
モノラル録音でも感じられるリアルさ
楽器の力強さを超オンマイクで録音したものでも、ドラムがスピーカーの左から右へ「ドコドコドコドン!」と鳴るのも、視覚効果として面白いものである。
私の好きなJAZZなんかは例えば、サックスは左からトランペットは右から、ウッドベースは真ん中から、ピアノやドラムは左右いっぱいに配置されるような録音が多い。
これはこれで視覚効果として面白い。
1950年代の録音でも一発録りでシンプルに録音されたものは、そこに奏者がいるように再生される。
ジョン・コルトレーンが降臨してきた!などマニア以外は理解しがたい表現だが、正に音は視るものである!という事を表している。
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ソニー・ロリンズのサキソフォンコロッサスというアルバムはモノラル録音にもかかわらず、サックスがスピーカーを無視してリスニングポジションに迫ってくる!
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ジャズのレーベルのECMの録音も非常にクリヤーで音場感豊かなものが多い。
【e-onkyo music】ハイレゾ アルバムランキング見てみる?
これらは、ペアマイクのワンポイント録音でなくても十分リアルさを感じられる。
オーディオには様々な聴き方があるが、オーディオを始めてみようと思う方は、音を視ることを意識してセッテイングやケーブル類の交換、機器の選定をしてみて欲しい。
音を視る事はオーディオの醍醐味の一つでなのであるから。
音が視えるスピーカー
音場感を上手く引き出すには、音を発するスピーカーから如何にソフトに記録されている微小な間接音を再生するかにかかっている。
音の出口であるスピーカーは、1つのユニットのフルレンジスピーカーから、低音・中音・高音などそれぞれウーファー・スコーカーやミッドレンジ・ツイーターなど複数のユニットからなるマルチウェイスピーカーがある。
しかしユニットが分散しないスピーカーの方が空間表現を左右する位相特性のずれが生じにくいと言われている。
一概にユニット構成だけで決まるわけでも無いと思うが、特に狭い部屋で至近距離から聴く場合には、大型マルチウェイより小型スピーカーのほうが、音源が分散せず点音源に近づき、空間表現に有利である。
小型スピーカーはユニットの振動板が軽く応答性に優れ微小な信号を再生出来ると言うメリットがある。
また少ないユニットでスリムなトールボーイスピーカーも音場再生には良い。
私のシステムでは、長岡鉄男氏設計のスーパースワンというバックロードホーンの自作スピーカーを昔々に作成し今でも手離せずにいる。
このスピーカーは、音源のユニットがフォステクス の10cmフルレンジ一発でユニット裏の音を利用して低音をロスなく再生すると言うもので理想の点音源に近づくと共に10cm一発とは思えない低音も再生する。(おもしろい形をしているが、点音源を追求した結果だ。・・・長岡鉄男氏はこれを夢の中で思いついたらしい!)
[Stereo]という月刊誌の6月号は、長岡鉄男氏を筆頭にオーディオ評論家たちがアイデアを絞って自作スピーカーを発表していた。(毎年のこの特集は楽しみだった。)
昔は、東急ハンズで木材のカットサービスがり、設計図を書けば直線カットやスピーカーユニットの取り付け穴(丸くくり抜く)をカットしてもらえた(1カット100円とか)。
私の家にあるスーパースワンやAVシステムのラック兼用スピーカーのAVー1mk2やMX20−AVはいずれも長岡鉄男氏設計のものであり、若い頃シナベニヤをその設計図に沿って東急ハンズのカットサービスで切ってもらい自分で組み立てたものである。
塗装やカッティングシートなどで仕上げると音も良くなる。
ところが、自作スピーカーや家具などを作成するニーズが減った為かなんなのか分からないが、ある時から東急ハンズで木材のカットサービスは無くなってしまった。(今はどうか分かりませんが?)
今入手出来るものとして、ユニットは別売りでフォステクスのバックロードホーン用に開発されたエンクロージャーがおすすめだ。
興味のある方は一般に売られているメーカー製のバスレフスピーカーとは一味も二味も違う音が得られるので導入を考えても良いかと思う。
数は少ないがオーディオショップなどでフォステクス のコーナーに置かれている時があるので、可能であれば試聴してバックロードホーンの音を体感してみては如何だろうか。
◆FOSTEX 10cmフルレンジ用バックロードキャビネット
◆FOSTEX 10cmフルレンジ
◆(書籍)バックロードホーン・スピーカーをつくる! (ONTOMO MOOK)
点音源にこだわったスピーカー
同軸2ウェイや仮想同軸2ウェイは、点音源にこだわって作られたスピーカーである。
これらのスピーカーは音を視たり音声空有感をリアルに感じるので、可能であれば、ご自身でショップなどに行かれて試聴してみて点音源の良さが自分の理想の音に合うのであれば、システムに導入してみてはいかがだろうか?!
[rakuten:audio-ippinkan:10011136:detail]
[rakuten:audiounion:10052186:detail]
リアルな音場表現が印象的な仮想同軸スピーカーも魅力的なスピーカーのひとつである。
「オーディオは音を視る」と書いてきたが、イヤホンで聴いたりBGMで音楽を流す心地よさもあれば、音と真正面から立ち向かうようなリアルさを追求するなど、いろいろな聴き方(視方)があって楽しいものである。
2020年7月13日更新2
2019年11月27日(初回投稿)
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