吸音材を変えてスピーカーを高音質に!
テレビ台兼用バックロードホーンスピーカーの吸音材を交換してみた。
スピーカーは、何をやっても音が変わる。
音の変化は、自分の好みになるとは限らない。
しかし、それは、やってみなければ判らない事。
最近、レコードプレーヤーばかりで聴いていたので、AVシステムについては手を加えていなかった。
レコードプレーヤーの音質は日々進化中だが、気分を変えてAVシステムのスピーカーの吸音材を交換することにした。
スピーカーは吸音材で音は変わる
以前、ピュアオーディオのメインスピーカーの一つである10cmフルレンジバックロードホーンのスーパースワンで交換して好結果だった吸音材を使う。
今回、吸音材を交換するスピーカーは、長岡鉄男氏設計のテレビ台兼バックロードホーンスピーカーAV1ーmkⅡ。
吸音材は「適量・適所」が重要だと思っている。
バックロードホーンスピーカーの吸音材は、ユニットの付いているヘッド部分だけで、スピーカー本体の容積からするとほんの少しの量しか使わないが、このヘッドが小さいがゆえに、この部分が疎かになると全体の音に影響をもたらすことにもなる。
このスピーカーのヘッドには、左チャンネルと右チャンネルのユニットが1つの箱に取り付けられている。
従って左のスピーカーユニットの背面は、右のスピーカーユニットの側面になる。
同じく右のユニットの背面は、左のユニットの側面になる。
私の経験だが、ユニットの側面に吸音材を貼るときは、あまりユニットの振動板の近くに吸音材がない方がよい。
一見、ユニットのすぐ横の側面からの反射を吸音材で無くす方が良いように思えるが、振動板に吸音材が近づきすぎると音がこもったり、伸びやかさがなくなったりする。
その理由は、私には判らない。
吸音材は、いつも音を聴いて手探りで調整するしかない。
市販の吸音材は分厚いものが多い
今まで吸音材は、粗毛フェルトだったり、グラスウールやパーツ屋で目についたものなど使ってきたが、どれも厚みが有って小型スピーカーに使用する場合は、薄く剥いで厚みを調整する必要がある。
この厚みが、なかなか均一にならない。
目分量で厚みを調整するしかなく、このことについては半ば諦めていた。
しかし、このPARC Audioの吸音材は、丁度良い厚みで天然ウールという素材も魅力的だ。
スピーカーを自作する人は、吸音材の素材は人それぞれ好みがあるようだ。
こればかりは、使ってみなければ判らない。
ここで私が、天然ウール最高!と言ったところで、それがそのまま他の人の好みに当てはまるとは限らないと思う。
改善が改悪になるケースも有る。
AV1-mkⅡについて
AV1ーmkⅡは、20年以上使っているが本当に苦労した。
何をやってもバックロードホーンの癖が耳について仕方がない。
AV-1mkⅡのユニットは、フォステクスのFE83用に設計されているが、スピーカーのマグネットにキャンセルマグネットをつけたり、逆にFE83よりもマグネットが非力の防磁型のFE87Eをつかったりもしつつ、吸音材の量や貼る場所を探ったが納得のゆく音が鳴らなかった。
現在取り付けているFE83solというユニットにしてようやくバックロードホーンの癖が減ってユニットや箱の良さが感じられるようになった。
(現在は、FE83NVが最新だがこのユニットはどんな音がするのだろう?)
PARC Audio の吸音材
今回この吸音材に交換して、Youtubeなどのジャズを色々と聴いてみた。
キース・ジャレット トリオの音が非常に良くなった気がする。
キース・ジャレットのピアノ🎹が美しい✨ pic.twitter.com/EFNu4cQ8v0
— audiojazz (@audiojazz1969) 2020年5月28日
吸音材もエージングとは言わないが、入れ替えてしばらくすると音の印象が変わっているときがある。
これは聴き手側の状態(取り替えたという事実の認識)がそうさせるのかも知れないが、この吸音材はメインスピーカーのスーパースワンで、しばらく使っていて音に艶があり、かつ微妙なニュアンスも失われる事がなく好印象だったので、AV1−mkⅡでも期待できると思う。
吸音材の交換だけで、必ずしも音質が改善するとは限らない。
しかし、適量・適所を探り当てることが出来たら、非常に効果的な音質調整方法なのは間違いない。
どうせ使うのなら、質の良い吸音材を初めから使って調整するに越したことはないと思う。
PARC Audioというメーカーは、ウッドコーンなどのスピーカーユニットのメーカーだけあって、吸音材も吟味して発売されていることだと想像する。
メーカー製のスピーカーでもユニットが簡単に外せるのであれば、細いトールボーイや小型ブックシェルフなど、PARC Audioの天然ウール吸音材を使ってみるのも面白いかも知れない。
2020年5月29日更新
2020年4月13日(初回投稿)