CDがモノラル録音だったのに、なぜアナログレコードがステレオ?
マイルス・デイビスから引き込まれたジャズという音楽
約30年前、CDプレーヤーから始まった趣味のオーディオ。
マイルス・デイビスがきっかけで好きになったジャズという音楽。
マイルス・デイビスの出したアルバムは膨大で、私の持っているCDはマイルスのアルバムが中心だった。
’70年代、’80年代のマイルス・デイビスを聴いてた私に、レコードショップの店員はモード・ジャズを教えてくれた。
そのうちマイルスのバンドメンバーだったアーティストのソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーンやビル・エバンス、ロン・カーター、ハービー・ハンコック、キース・ジャレットなども聴くようになり、果てしなく広がっていく。
同僚にプレゼントして解った、音の違うカインド・オブ・ブルー
このアルバムはCDを買うときレコードショップの店員に勧められたモードジャスの決定版。
1枚3,500円程だったCDアルバムも当時の私はあっさり買えるわけでもなく、別の店で安い輸入盤のCDアルバムを買うこともあった。
当時このアルバムを良く聴いていたが、あるとき会社の同僚にジャズのCDを聴きたいとのことで、喜んでマイルスのカインド・オブ・ブルーを含む数枚のCDを貸してあげた。
同僚が、マイルス・デイビスのカインド・オブ・ブルーをかなり気に入った様子だったので、嬉しくなりそのままそのCDを同僚にプレゼントした。
毎日聴くわけでもなかったが、手元にカインド・オブ・ブルーが無いのは落ち着かないので私は新たにCDを買った。
同僚にプレゼントしたCDは輸入盤、私が買い直したCDはリマスターの国内盤のもの。
聴いてみると音が違う。
輸入盤のCDは各楽器が空気に溶け込んでいるように雰囲気よく鳴るのだが、新しく買ったCDはリマスターのためか、ポール・チェンバースのベースがずっしりと明確なものだった。
マイルスのトランペット、コルトレーンのテナーサックス、ビル・エバンスのピアノも骨格が太くなったように聴こえる。
同じアルバムでも、輸入盤と国内盤やリマスターなどデジタルの進歩によって音が変わってくるのだろうが、しばらく慣れるまでは時間がかかった。
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レコードプレーヤーの導入
最近になってようやく趣味のオーディオにレコードプレーヤーを導入し、安い中古レコードをせっせと購入している。
中古レコードを買っては、週末の休みの日に聴く為にせっせと洗っている。
初めて買ったマイルス・デイビスのアナログレコード
最初に買うマイルスのアナログレコードはどれにしようか?
やはり誰もが知るモダンジャズの定番カインド・オブ・ブルーに決めた。
輸入盤の新古品?のレコードをネットショップで購入した。
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カインド・オブ・ブルーは、CD盤で何度も聴いていたので、その音質は体に染み付いている。
初めて聴くアナログレコードのカインドオブブルーは、すごくレンジが広くポール・チェンバースのウッドベースも深い。
ビル・エバンスのピアノも、コルトレーンのテナーサックス、キャノンボール・アダレイのアルトサックス、ジミー・コブのドラムスが余韻たっぷりで且つ明確に聴こえるにもかかわらず、深みがある。
とても1959年の録音とは思えない。
以前に聴いていた輸入盤のCDとも国内盤リマスターのCDとも音が違う。
当然CDとアナログレコードの違いもあるのだが、SpotifyやAmazon Musicなどで聴くストリーミングとも音が違うのである。
これではいったいどの音が何が正解なのか?わからない。
オークションなどでコロンビアの初期USオリジナル盤などの数万円もするレコードの音はまた違うのだろう。
初期のものはマスターテープが新鮮なころにプレスしたレコード盤なので、音が良いということが言われている。
ただこれもレコード自体の保存状態にもよると思う。
レコードをせっせと洗っていてわかるのだが、レコードを洗うとだいたい音質が良くなる。
しかし、中には洗ってもどうしようも無い傷だらけのものもあるし、ノイズがなくなっても音質的に心がときめかないというか、乗れないレコードもある。
マイルス・デイビスのマイ・ファニー・バレンタインやフォア・アンド・モアは、CDで聴いていた音よりも、中古レコード(ペラジャケ)という60年代の国内盤のレコードだが、断然音が良かった。
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ネットショップやオークションで買っている限り、試聴ができないので経験を積んでいくしか無いのだが、よほど思い入れのあるお気に入りのアルバム以外は、何種類もレコードを買って音質比較しようにも時間と懐が追いつかない。
ラウンドミッドナイト まさかの擬似ステレオレコード
カインド・オブ・ブルーやフォア・アンド・モアの音の違いに感動し、レコード盤で聴く事がめっきり多くなってきた近頃。
ソニーロリンズのモノラルアルバムをきっかけにモノラルカートリッジを購入した。
モノラルカートリッジが家に届くのと同時にマイルス の50年代のレコードもオークションで落札しておいた。
それはラウン・アバウト・ドミッドナイトと言うアルバム。
プレスティジ時代と比較してコロンビア時代のアルバムジャケットはずいぶんと雰囲気が違う。
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初めて自作スピーカーのスーパースワンが完成し、ユニットを取り付けて最初に聴いたアルバムで思い入れがある。
これも何度もCDで聴いていたので、アナログレコードのラウンドミッドナイトに期待しながら針をレコード盤に落とした。
すると音が小さく遠くに聴こえる。
ソニー・ロリンズのアルバム「橋」では力強く鳴っていたが、何かおかしい。
ソニー・ロリンズのレコードに取り替えて確かめてみたが異常が無い。
もう一度、マイルス のラウンド・アバウト・ミッドナイトを聴こうとアルバムジャケットを手に取った時に気がついた。
あー!?
そのラウンド・アバウト・ミッドナイトのアルバムジャケットの右上に「STEREO」と記載されているではないか?
まさかのステレオ盤だったのである。
プレスティジと違ってコロンビアは擬似ステレオも出していたとは!
せっかく張り切ってモノラルカートリッジを取り付けたのにガッカリだった。
まさかマイルス の’50年代のアルバムに「STEREO」とは考えてもいなかった。
オルトフォンのステレオカートリッジに戻して改めてstereo盤ラウンドミッドナイトを聴く。
意外と音質自体は悪くないが、この擬似ステレオは、エコーが少し増え雰囲気で聴かせる感じがした。
もちろん音はスピーカーの左右ど真ん中に定位しない、各楽器がつかみどころの無い音がする。
完全に無理矢理の擬似ステレオである。
仕方がない。そのうちモノラルのラウンド・アバウト・ミッドナイトを買う事にしよう、、、。
と言っときながら、又やってしまった!
今度はまさかのクッキンである。
これも中古レコードのオークションでペラジャケのクッキンが出品されていたので、反射的に落札したのが間違いだった。
これもモノラルカートリッジで聴いたとき、音が小さく遠く感じた。
ネットオークションの終了時間が10時から11時頃なので、スマホを観てる時間帯でもある。
ジャケットの上に記載されているSTEREOという文字がスマホの小さな画面で私の目には全く入って来なかった。
思い込みと無知とは怖いものだ。
決してSTEREO盤が悪いと言うわけでは無いが、CD時代からラウンド・アバウト・ミッドナイトやクッキンなどのマラソンセッションは、モノラルで聞く事が植え付けられていおり、スレレオ盤がまさかあるとは思っていなかった。
クッキンは、モノラルをすぐに購入した。
モノラルで聴くクッキンは、やはりこうでなくては!!という音がしている。
最近、見間違いが増えてきた年頃だが、失敗も許容しながら末永くオーディオでジャズを楽しみたいものだと思う。
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2020年7月23日