【オーディオルームのプチリフォーム】デッドな和室をライブな洋間に!
オーディオルームは6畳間の和室で寝室も兼ねている。
畳も20年経つとボロボロになって既に限界を超えていた。
畳の表替えも考えたが、オーディオのルームチューニングを兼ねて美観を良くするためにプチリフォームを行った。
結果は大成功!
音も見た目も見違えるように大変身した!
👇この記事はこんな方におすすめ!
・音楽をもっと高音質に鳴らしたい!
・古い和室を雰囲気の良い洋室にしたい!
・安くて自分でも出来るリフォームをしたい!
【もくじ】
ルームチューニングで響きをコントロールする
部屋で音楽を聴く為には、ある程度響きがあった方が良い。
部屋の響きは、床、壁、天井の反射音による残響音で、空っぽの部屋は響きが多く家具やカーテン、カーペットなどを部屋に入れていくと段々と響きが抑えられる。
和室は音を吸う押し入れや畳があるので、フローリング床の洋間よりも響きが少ない。
洋間でも学校の音楽室のように床、壁、天井が吸音性の高い内装材の場合は響きが少ない。
このように残響音の少ない状態をデッドな部屋、残響音が多い場合にはライブな部屋という。
昔のオーディオルームのルームチューニングは、反射音を嫌って吸音材を大量に使い部屋をデッドな状態にする事が流行った時期がある。
オーディオ雑誌にも吸音材がたくさん紹介されていた。
これは反射音がオーディオにとって余分な音でレコードなどのソフトに入っている音の情報が忠実に再現されないという考えから来ている。
しかし、実際は部屋をデッドな状態にし過ぎるとその言葉どおり音も死んでしまう。
オーディオ雑誌も次第に吸音材だけでなく残響音を活かす反射パネルを紹介するようになった。
単純に反射音が有れば全て良いというものでもない。
四角い部屋の壁は向かい合わせに平行になっている。
この平行な壁に音がぶつかる事を繰り返し、跳ね返り戻ってきた音が干渉して特定の音の周波数で癖がでる。
これは、平行な壁のライブな部屋で手を叩いて鳴らしながら少しずつ移動するとビ〜ン、ビ〜ンとなる箇所があるのが分かる。
このビ〜ンという音は、オーディオで音楽再生をすると癖に繋がるので解消したい。
この場合は高い周波数なので、平行な壁の片側だけにタペストリーやカーテンなど吸音処理や拡散パネルを使うと解消される。
鉄筋コンクリートの丈夫な壁で出来ている部屋は、音の逃げ道がなく低音の抜けが悪い。
低い周波数の低音は波長が長く、壁に薄い吸音材を貼るだけでは解消されない。
低音域は部屋の隅に溜まるので、壁面ではなくコーナーにクッションなど厚めの吸音材を置くと効率よく音が吸えるが低音の吸音は結構難しい。
私の部屋は和室だが鉄筋コンクリート造で6畳にプラス1畳分の板張りのタンス置き場がある。
それは床の間のように囲まれた空間で音の溜まり場になりそうな場所だが、ワードローブを設置し上の空間にはスピーカーの入っていたダンボールの空き箱を載せている。
これで結構低音の溜まりは解消されている。
左チャンネルのスピーカー側の部屋のコーナーも鉄筋コンクリート壁で囲まれておりクッションを4つくらい置いているが、左チャンネルより右チャンネルの方が音の抜けが良い。
クッションも入れ過ぎると高音も吸われるので、吸音処理は出来るだけ必要最小限にとどめておきたい。
他の部屋への騒音を気にしないのであれば、部屋の出入り口ドアを開けておくと音の抜けが良くなる。
鉄筋コンクリート造の気密性の高い家よりも、在来工法の木造の方が定在波の影響が少なく低音が溜まらないので抜けの良い音がしたりする。
床を変えて部屋をライブにする方法
部屋の反射音の癖ばかりに気にとられると、吸音処理が過剰となり、部屋がデッドになり過ぎてオーディオで再生する音楽がつまらなくなる。
和室の畳敷きや洋間でもカーペットを敷き詰めている部屋をライブにする為には、床をフローリングなどにリフォームすると床の面積が広い分かなりライブな部屋に変わる。
しかし賃貸マンションなどの場合は入居者が勝手にリフォームをしてはいけない。
そこでおすすめなルームチューニングとしてウッドカーペットを使って部屋をライブにする方法だ。
ウッドカーペットは和室の畳の上に敷いて洋間風にするものだが、カーペットを敷き詰めた洋間に敷いても部屋をライブにする効果がある。
ちなみに畳の表替えは1畳あたり5,000円位で6畳では30,000円程度。
それに対してウッドカーペットが20,000円程で買えてしまうので安い。
ウッドカーペット購入時の注意点
ウッドカーペットは概ね団地間サイズと江戸間サイズの2種類が用意されている。
このサイズは畳の大きさの違いを意味する。
団地間より江戸間の畳のほうが大きく、例えば6畳間だと団地間は、2,550mm×3,400mm で、江戸間だと3,480mm×2,610 mmとなる。
当然、部屋より大きいウッドカーペットは壁につっかえて入らない。
私の住まいは団地だけど寸法を測ると江戸間サイズだった。
しかし、実際に部屋に敷いてみると2枚分の板をカットすることになった。
ウッドカーペットの折り目に沿ってカッターで簡単にカットできるが、折り目方向と別の方向ではノコギリを使わないとカット出来ない。
ウッドカーペットは床の面積と同じ位大きなものなので、素人では上手く真っ直ぐに切れない。
心配な場合は事前に寸法を細かく測り、無理をせずカット代を払ってカットしてもらった方が良い。
部屋の寸法より1cm短くカットしてもらえば良いのだが、一見、長方形に見える部屋でも同じ縦方向の寸法でも測る場所によって長さが異なる場合があるので、サイズは縦方向と横方向のいろんな場所をそれぞれ測って、縦も横も短い方の寸法で収まるサイズのウッドカーペットを注文する必要がある。
そして見落としがちなのがドア枠や窓枠、柱などが少し出っ張っている箇所。
採寸の際にはその出っ張り部分をカットしてもらうか、出っ張り部分の内側にウッドカーペットが設置出来る寸法のものを選ぶかになる。
因みにウッドカーペットのカットサービスを行なっていないショップもあるので、カットが必要な場合はショップのサイトを良く読んでから色や木目の好みを探すほうが良い。
ウッドカーペットの受取の注意点
商品が決まればネットショップなどで購入するわけだが、その際に重要な事が商品の受け取り方だ。
私が発注したショップは、佐川急便が配送をする事となっており玄関までは運んでくれる。
長さ2.6m以上で重量が35kgもあるウッドカーペットをエレベーターの無い団地の階段で5階まで担ぎあげてくれた。
時間指定をしていたので、当然私が在宅しており玄関先で受け取ったのだが、とても私一人で自分の身長以上の長さの重量物を階段で運べない。
さすがの佐川男子といえど息が上がっていた。
商品を受け取る場合はどんな商品でもそうだが、日時指定をして運送屋さんの手間を減らしてあげたい。
ウッドカーペットを敷くまでの準備
ウッドカーペットを床全面に敷き詰めるには、今まで置いていた家具を別の場所に移動しなければならない。
ウッドカーペットを敷きながら家具を移動するなんて考えない方が良い。
家具家電が多い部屋は、出来れば早めに少しずつ家具を移動しておいたほうが良い。
ベランダ側(メインシステムを設置)
入り口側のコーナー(AVシステムを設置)
例えば作業当日に慌てて家具家電の移動をするとウッドカーペットを敷くまでに身体が疲れ切ったり、ぎっくり腰になってしまうとウッドカーペットどころの話しではなくなる。
ウッドカーペットの敷き方
・事前の掃除
家具を移動して何も置いていない状態になったら、床面全体や家具の置いてあった壁面などのホコリを掃除機で除去する。
ホコリを放置していると、後々ダニやカビの養分になるので細かい隅のところも丁寧に掃除しておく方が良い。
注意しほしいのが、畳を水拭きしてから乾燥しないうちに敷かない事!
水拭きして完全に乾燥しないうちにウッドカーペットを敷いてしまうとカビの繁殖を促す事になってしまうので要注意である。
しばらく窓を開けて風通しを良くし、畳や敷き詰めてあるカーペットを乾燥させておく。
寒い冬などはエアコンの暖房を強めにかけたり、除湿モードや室内洗濯もの干しモードで乾燥させると良い。もちろん除湿機を使うのも有効だ。
乾燥する時間は環境によってどれくらいとは言えないが、私は窓を開けながら朝9時ごろから家具家電の移動をして、その後昼食を摂ったあとしばらく身体を休ませた14時ごろまで窓を開けっ放しにしていた。ちなみに作業をした日は12月だが最高気温が14℃だった。
・必ず敷いておく防虫シート
掃除と乾燥が終わったら畳や敷き詰めてあるカーペットの上に防虫シートを敷く。
実は数年前にリビングにウッドカーペットを敷いた事があり、その時に使用した「ダニスメンシート」を事前に購入しておいた。
松ヤニ植物エキスの自然成分を染み込ませたポリエステルで出来ているもので、人の身体には影響が少ないのでは?ないかと思う。(但し松脂等のアレルギーのある方は注意が必要。)
防虫シートの説明書きには特に効果の持続時間が記載されていないが「長期間ダニ・カビをよせつけません」とパッケージには記載されている。
実際に、リビングのウッドカーペットは数年敷きっぱなしでもダニやカビの発生は見受けられない。
6畳用の防虫シートは1m幅で3.6m程の長さの長尺なものが入っており、それらを隣同士重ねで畳やカーペットの上に敷いておく。
部屋全体に隙間なく敷き詰める。
柱やドア枠の部分はハサミで切ったり折り曲げたりしなが、出来るだけ隙間がないようにしておきたい。
・いよいよウッドカーペットを敷く
★作業は必ず長袖、長ズボンで、手には軍手をはめ靴下を履いて行うこと。
そうしないとウッドカーペットの折れ目で地肌を挟んでしまうからだ。
そして敷き詰める作業は2人で行ったほうが効率が良い。
私は妻が帰宅するのを待って作業を開始する事とした。
ウッドカーペットはまず部屋の端から敷いていく。
注意してほしいのが、ウッドカーペットを伸ばして行く方向の行き先には体の逃げ場所が必要だ。
出入り口やベランダへの掃き出し窓があると敷き詰める最後の方で体を逃がせる事が出来るので、敷く前には頭でシミュレーションしおいた方が良い。
巻かれている状態のウッドカーペットを床に置き、下から手をいれて巻かれているのをくるりと回すように手間にほどいく。
(上記の写真は一部屋分を2枚に分けて販売されている商品を敷いている。)
尚、畳の上に敷いている防虫シートの上を膝をつきながら後ろに移動するので、防虫シートがずれていくが修正しながらの作業となる。
あとで思ったのだが、敷物を押さえるピンなどで防虫シートがズレないように固定しておくと良いかもしれない。
巻かれているウッドカーペットを伸ばしていく時に斜めにズレていくと横の壁に引っかかるので、真っ直ぐになるようにゆっくりと微調整しつつ行う。
ウッドカーペットを伸ばしたきった際に部屋に収まらない場合には、折り目に沿ってカッターを入れながら切ると簡単に一枚分の板を切り離す事が出来る。
但し、折り目と違う側の辺で突っかえた場合は大変だ。
当たっている箇所を特定して、そこをノコギリで切り取るかヤスリで削るくらいしか出来ない。
私は押し入れの柱に引っかかってしまった。
採寸した時にはギリギリ大丈夫な筈だったが、やはりギリギリではダメだという事だ。
なんとかカッターナイフとノコギリでカットして敷き込むことが出来たが、無理な角度からカットしているため傷が入ってしまった。
皆さんはこのような事にならないよう注文して欲しい。
【ビフォー・アフター】
準備から完了まで1日仕事だったプチリフォームが完成した!!
結果は大満足だった!
ウッドカーペットを木目天井に近い色を選んだのも正解で全く違和感がない。
木目の質感もプリントにも関わらず立体感があり手触りも良好だ。
古畳の団地の和室がマンションのフローリング敷きの洋間になったようだ!
【ビフォー】
⬇
【アフター】
スピーカーやアンプなどのオーディオ機器やスピーカーベースにしていたコンクリートの板やラックの下に敷いていた御影石、テレビ台兼用のスピーカーなど重たいオーディオ機器類を運び出してウッドカーペットを敷き、再びオーディオ機器類を戻してセッティングし配線をした。
【ビフォー】
⬇
【アフター】
部屋の響きがライブになってスピーカーから鳴る音が空間へと広がっていく。
今まで聞き取れなかった響きが明確になり、音が活き活きしている。
映画もドルビー・サラウンドの効果がより一層深くなった。
そして、夜はルームチューニングをしてライブになった部屋で、ゆっくりマイルス・デイヴィスやビル・エバンスのレコードを聴いて疲れを癒やした。
壁を変えて部屋をライブにする方法
音を吸い過ぎるデッドな部屋を響きの良いライブな部屋にルームチューニングするには、面積の広い床にウッドカーペットを敷くことは非常に効果が高かった。
しかし、和室の畳敷きが好きな方や家具の移動がどうしても無理な場合は壁面に注目してみるとよい。
おすすめな方法としては窓のカーテンをブラインドに交換する方法がよい。
布のカーテンからアルミ製や木製のブラインドにすれば、窓の面積分が吸音性から反射性に変わるので部屋をライブにする効果が結構期待できる。
スピーカーの近くの壁からの一次反射を嫌って、吸音材などを貼って解決する方法を見かけることがあったが、これをやりだすと他の箇所も気になってしまい、ついついあちらこちらに貼ってしまいがちだ。
それよりも、ウォールポケットなどで適度な吸音をしつつ拡散する方が、インテリア的にも実用的にも良い。
ウォールポケットも色々な大きさや素材があるようなので、一度調べてみて導入してみてはいかがだろうか?
更におすすめなのだウッドラックやウッドシェルフというもの
左チャンネルのスピーカーの後ろに奮発して買ったマイルス・デイビスのレコードを飾っているが、エアコンのダクトが見栄えが悪く何とかしたいと思っていた。
そこでウオールラックを設置してみたところ、これが大正解!
グッと部屋の雰囲気が何十倍も良くなった。
さらに音質の改善がなされたのも副産物として嬉しい。
我ながらなかなか良いコーナーが出来た(^^)#audio#vinyl#BEFOREandAFTER pic.twitter.com/Y5KToJcKZV
ビフォー
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アフター
オーディオ用としては壁に貼り付ける拡散パネルやブロック、音響ポールなどがある。
私は使った事がないが、オーディオショップやオーディオ雑誌の試聴室などでよく見かける大型のパネルもそれなりに効果があると思われる。
置き型のパネルは部屋が狭くなるので、オーディオ専用の自分の部屋が確保出来る方ならばチャレンジしてみても良いかも知れない。
照明器具でプラスアルファの効果
古いボロ畳の上にウッドカーペットを敷くと見違えるように部屋の雰囲気が変わったら、せっかくなので天井の照明器具を交換してみては如何だろうか?
よく見かける和室用の四角い蛍光灯照明からスポットライト式の4灯ライトに交換するだけで部屋が断然オシャレになる。
電球型のLEDライトなら蛍光灯のジーというノイズも無くなり、その上長寿命で省エネにもなる。
オーディオショップでもそうだが照明器具の使い方で部屋もオーディオ機器も高級感がでるから不思議なものだ。
オーディオルームは学校の音楽室であってはならない!
中学生のころ、学校の音楽室とは名ばかりで生徒達は吸音処理がされた部屋で音楽の授業をうけていた。
有孔板の壁、ジプトーンの天井、それに床はパンチカーペットが敷き詰められ音を殺す事が目的に作られた部屋である。
これではピアノもアルトリコーダーもハーモニカも合唱も楽しくない。
私の中学時代の音楽教師は生徒達を連れて、空いている普通の教室に移動し合唱の練習をさせてくれた。
何故、わざわざ教室を移動してまで音楽の授業を受けないといけないのか?
それは、みんなで歌い始めた瞬間に理解できた。
響きの良い部屋は音楽が楽しくなるということを。
〜最後に〜
オーディオ機器はセッティングや部屋の音響が音質に与える影響が大きい。
機器を買い替えてもなかなか満足な音が鳴らない場合は、セッティングや部屋の音響を見直してみると良い。
そして何より部屋の雰囲気が良くなると同じ曲を聴いても気分がよくなる。
【オーディオルームは居心地の良さと響きのコントロールがポイント】
・部屋はオーディオシステムの重要な要素!
・デッドな和室からライブな洋室にすると響きが良くなる!
・古い畳の和室はウッドカーペットを敷くと音も見た目も大変身する!
・カーテンからウッドブラインドに変えると部屋がライブになる!
・ウォールラックは部屋の雰囲気が増して使い方次第で音も良くなる!
・照明の効果は音に影響する!
※2022年11月に左のスピーカーの後ろにウォールラックを設置し更に快適になった!
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✅ほかにも高音質再生の手法を記事にまとめています。
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2023年1月2日更新
2020年12月17日初回投稿