スピーカーに求める高解像度とは?
・デジタルはデータ量が解像度を決める
テレビはデジタル化して、画質がハイビジョンからのフルハイビジョンの2K、UHDの4K、スーパーハイビジョンの8kへと加速していっている。
スマホの画面やスマホに搭載しているカメラの画素数もどんどんアップしてきている。
屋外でスマホでYoutubeを観ていると、電波の悪い場所では画質が落ちる事がある。
車のカーナビに搭載しているテレビチューナーには、ワンセグとフルセグがあり、電波の悪い場所に車が移動すると、フルセグで映っていたテレビ放送がワンセグに切り替わり画質が落ちる。
これらは、電波が悪い、通信速度が遅い=情報量が落ちる→画素数を落として受信する事によって動画として再生出来るようにする仕組みで、情報量が落ちると明らかに細かい部分が潰れて解像度が落ちる。
このように映像で見ると「百聞は一見にしかず」で、明らかに情報量が減って動画の解像度が落ちる事が瞬時に確認できる。
これらはデジタル化によるデータ量の話しだ。
・スピーカーはアナログ信号で再生している
オーディオシステムはCDやハイレゾなどの音楽データをCDプレーヤーやパソコン、NASなどからデジタル信号を受けDAコンバータによりアナログ信号に変換され、アナログ信号をアンプで増幅しスピーカーに送られて再生されている。
スピーカーケーブルには、アナログ信号が流れている。
スピーカー自体は、CDなどのデジタル信号のソフトが出来る以前、FMチューナーやレコードプレーヤー、カセットテープなどのソフトがアナログ信号の時代から今も基本的に変わっていない。
・高解像度の意味を見直してみる
スピーカーを評価する時に解像度が高いという表現がされる事があるが、これはアナログ時代からも言われてきた事だ。
解像度が高い、いわゆる高解像度な音と言われているスピーカーは情報量が多いのだろうか
我々が目で映像を見る事と耳で音を聴く事は、情報の捉え方が違う。
私は人間工学?について詳しくないのでこれ以上の説明は出来ないが、解像度が高いという言葉を聞いてイメージする音質は人によって違うと思う。
しかし解像度高いと言うと、概ねスピーカーから再生される音楽を聴く場合、音の輪郭が明確で、細かい音までくっきりと聞こえる事をイメージするのではないだろうか?
コンサートホールやライブハウスなどでの生演奏や地域のお祭りの太鼓や笛、運動会のブラスバンドやストリート・ミュージシャン、レストランなどのピアノ演奏など、その場で聴いていて解像度の高さを意識させられた事は私には無い。
オーディオに於いて生音の再現を目指す場合、実際に生音で体験したような音が、高解像度といわれているスピーカーによって本当に再現されているのか?疑問に思う。
当然、音楽を再生して音がこもっていたり、AMラジオのように明らかにレンジが狭くて、SN比が悪いソフトやハードは話しが別だが。
高解像度と言うイメージを追求し過ぎると、ともすると音楽のニュアンスや抑揚、腹に響く振動など身体で感じるという事や奏者がそこにいるかのような表現力などを見失いそうになる。
”オーディオは生音を再現するものだ!” と言う人もいれば、”オーディオは生音以上のものを創造するものだ!”という人もいる。
オーディオの楽しみ方は様々で良いと思うが、高解像度を過度に強調するスピーカーよりも、音楽の感動を味あわせてくれるスピーカーの方がある意味、情報量が豊かなのではないかと思う。
そもそも録音されているソース自体に感動するような演奏や情報が記録されている必要があるの事は言うまでもないのだが、、、。
”まるでミュージシャンが、そこで歌ったり演奏している姿が視えてくる”
そういう意味での高解像度(リアルさ)を再現できるスピーカーが高音質なのではないかと思う。
2020年2月15日