AVアンプお悩み 光デジタルvsHDMI
「光デジタル端子とHDMI、結局どっちがいいの?」
テレビとAVアンプを接続する際、こだわりを持つ人ほど一度はぶつかる疑問だと思う。
以前、光デジタル接続の方が高音質だったという経験を記事にまとめたが、今回は2026年現在の状況もふまえてアップデートしたい。
なお、この規格の違いを気にする人の多くはAVアンプでシステムを組んでいる層だと思う。
サウンドバーで気軽に済ませたい場合は、そもそも接続方式にそこまでこだわる必要はなく、サウンドバーをテレビにHDMIケーブルで繋ぐだけで、難しい設定はほぼ無いと思う。

【もくじ】
【結論】今からシステムを組むならHDMI(eARC)が有利
先に結論を言ってしまうと、これから機器を揃えるのであればHDMI eARC対応の組み合わせを選ぶのが無難だ。
理由は後述するが、光デジタル接続には音声フォーマット面での明確な制約があるためだ。
ただし「今すでに持っている機器がARCまでしか対応していない」という場合でも、致命的に困るケースは限定的なので、慌てて買い替える必要はない。
光デジタル接続・HDMI ARC・HDMI eARCの違い
■光デジタル接続
5.1ch Dolby Digitalまでの伝送が基本。
ドルビーAtmosのような立体音響やロスレス音声には対応していない。
■HDMI ARC
光デジタルよりは新しい規格だが、伝送帯域はほぼ同等。
Dolby Atmosも「ロッシー(圧縮)」のDolby Digital Plusベースであれば伝送できる。
■HDMI eARC
帯域が大幅に拡張され、Dolby TrueHDやDTS-HD Master Audioといった「ロスレス」音声、Dolby AtmosやDTS:Xの立体音響もフルに伝送できる。
つまり「ネット動画配信サービスのAtmosを楽しみたいだけ」ならARCでも大抵は事足りるが、「Blu-rayなどのロスレスAtmos音源を本格的に楽しみたい」ならeARCが必須という違いになる。
なぜ「光デジタルの方が高音質」に感じたのか
私が使っているパイオニアのAVアンプ(VSA-1123、7.1ch対応でフロントハイト/ワイド端子も備える機種)では、なぜか光デジタル接続の方がHDMI ARC接続よりも良く聴こえていた。

これは規格そのものの優劣というより、このAVアンプ側の実装(HDMI経由の音声処理でノイズが乗りやすい、DAC性能の違いなど)による部分が大きいのではないかと思っている。
同じ規格でも機種によって結果が変わりうるということは、覚えておいて損はない。
ただし、これは単なる思い込みでもないと思っている。
光デジタル(S/PDIF)は伝送できるチャンネル数こそ5.1chまでと限られるが、ピュアオーディオの世界では今でも単体DACへの接続に現役で使われている規格だ。

HDMIは多チャンネルを一括で伝送できる利便性が強みである一方、1chあたりの音質は単純な周波数特性だけでなく、透明感や音場感まで含めた質感という観点では、光デジタルの方が長い歴史の中で磨き込まれてきた実績がある。
多くのチャンネルを送れることと、1本あたりの伝送品質が優れていることは、必ずしもイコールではないということだ。
その理由の一つが、グラウンドループに対する耐性だ。
光デジタルは信号を一度光に変換して伝送する構造上、機器間の電気的な導通を物理的に断ち切ることができる。
HDMIやRCA、同軸のように電気的に繋がっている接続では、機器間に電位差があるとグラウンドループが発生し、ハムノイズの原因になる。
実際、我が家では冷蔵庫を壁のアース端子に接続したところ、スピーカーから聞こえていた「ジー」というノイズが消えたことがあった。
冷蔵庫のような大電流を扱う家電と同じ配電系統を共有していると、この手のノイズは想像以上に音質に影響する。
詳しい経緯は👇こちらにまとめている。
⭐[アースに繋げても高音質にならないオーディオ!? その電源ケーブル、実はアースに繋がってませんよ!](https://www.audiojazzlife.com/entry/2019/12/24/071559)
なお、私自身が実際にセッティングして聴き込んでいるのは5.1chまでで、7.1chやハイトスピーカーを使ったDolby Atmosの立体音響、eARC経由のロスレス再生はしていない。
以下のeARCに関する内容は、一般的に言われている情報の整理であり、私自身の耳での検証結果ではない点は先に断っておきたい。
2026年、eARC対応機器はどれくらい普及した?
2026年現在、主要メーカーのテレビ・AVアンプはeARC対応がほぼ標準になってきている。
ソニーやパナソニックの主力テレビ、マランツ・デノンの現行AVアンプなど、この数年で発売された機種であれば概ねeARCに対応していると考えて良い。
ただし注意点もある。
※ eARCを使うには、テレビ・AVアンプの両方がeARC対応である必要がある。

※ ケーブルは「プレミアムハイスピードHDMIケーブル」以上、できれば「ウルトラハイスピードHDMIケーブル」の使用が推奨される。
※ 配信サービス(Netflix等)のDolby AtmosはDolby Digital Plusベースの「ロッシー」であることが多く、実はARCでも再生できてしまうケースが多い。
eARCの恩恵を強く感じるのはBlu-rayなどのロスレス音源が中心になる
どちらを選ぶべきか
①AmazonPrimeVideoやNetflix等の配信サービス中心でネット動画のAtmosを楽しめれば十分
→ HDMI ARCでも困らないことが多い。


②Blu-rayなどのロスレス音源、本格的なホームシアターを組みたい
→ eARC対応の組み合わせを選ぶ。
③光デジタル接続しか使えない古い機器を使っている
→ 5.1ch止まりだが、2chのステレオ再生用途なら光デジタルでも実用上は問題ない。
なお、AVアンプの選び方については👇こちらの記事でも別の観点で詳しく触れているので、あわせて読んでみてほしい。
⭐[AVアンプをあえてピュアオーディオに!AVアンプを2chで使うメリットとは?](https://www.audiojazzlife.com/entry/pure_avamp)
まとめ
光デジタル接続は5.1ch止まり、HDMI ARCはロッシーのAtmosまで、HDMI eARCがロスレス・立体音響までフルに対応
「光デジタルの方が高音質」という経験は、規格の優劣というより機器の実装差による部分が大きいが、グラウンドループへの耐性という構造的な理由もある。
2026年現在はeARC対応機器が主流になってきており、これから揃えるならeARC対応を軸に選ぶのがおすすめ
配信サービス中心ならARCでも十分実用になるケースが多い
【余談】スピーカーの本数を増やすことは、本当にハイテクノロジーなのか
ここからは規格の話から少し離れた、個人的な持論だ。
私はサラウンド自体を否定しているわけではない。
サラウンドでAVアンプを導入している目的はそもそも映画鑑賞であり、映画のような立体的に設計された音源との相性において、サラウンドやDolby Atmosには明確な意味がある。
ただ、チャンネル数を増やすほど、スピーカーのセッティングは難しくなる。
ドルビー社が提示している推奨配置を、部屋の広さや家具の都合を無視してまで正確に再現できる一般家庭は、そう多くないはずだ。
さらに厄介なのが、スピーカーの本数が増えるほどスピーカー間の音の繋がりが悪くなりやすいという点。
設置場所や部屋の反射の影響で、音色や定位感が微妙にズレることがある。
だからこそ私は、映画鑑賞用途であっても、まず5.1chをしっかりセッティングして固めることが先だと思っている。
5.1chの基礎が固まっていないと、チャンネルを増やしたときの変化そのものが分かりにくくなる。
その上で、聴き慣れてさらなる変化を求めたくなったら、7.1chやハイトスピーカーの追加にチャレンジすればいい。
5.1chを固める上での実践ポイント
サラウン用スピーカーケーブルの選び方
サラウンド用のK-ブルとしては、コスパと癖のなさでカナレ 4芯スピーカーケーブル 4S6 がおすすめだ!
特にカナレ4s6は取り回しが良く、業務用で信頼できるメーカーであり、ノイズに強い4芯のスターカッド構造でありながら、価格が非常に安いのが魅力で私も愛用している。
天井裏を這わすしたり埋設する場合は、BELDEN スピーカーケーブル 8470-がおすすめだ!
夏場の屋根裏や天井裏は灼熱地獄だが、ベルデン8470の耐熱性はかなり優れており、素線スズメッキが施されているので、高温多湿の屋根裏や天井裏でもサビる心配がない。
うちのリビングはリノベーションの際に、サラウンドスピーカーを天井に取り付けるため、天井裏にベルデン8470を埋設をした。

スピーカーケーブルの端末処理
サラウンドはスピーカーの本数だけケーブルが必要だ。
avアンプの裏にずらりと並んだ、端子に1本ずつ通して締めこむ作業は、とてつもなく面倒だ。
一度しっかりしたバナナプラグにしておくと、結線ミスなどでのやり直しが発生しても、嫌気がさすことはなくなる。
裸の線だとしがって、スピーカー端子を増し締めする必要が無いので、本当に楽だ!
✅[バナナプラグの取付け方のコツ](https://www.audiojazzlife.com/entry/banana_plug_method)
AVアンプの電源ケーブル交換は侮れない!
ケーブルによって音の広がりや実在感がガラッと変わる!
これは試した人しかわからないが、ぜひ色々電源ケーブルを手に入れて試してほしい。
✅[電源ケーブルの選びかた]
(https://www.audiojazzlife.com/entry/power-cables)
最後に
一方で、音楽鑑賞に関しては話が別だ。
優秀な録音のレコードを2chのピュアオーディオで聴くと、驚くほど3次元的な空間表現が得られることがある。

ステレオ録音という技術自体が、もともと「2本のスピーカーで立体的な音場を再現する」ことを前提に作られているからだ。
限られた2本のスピーカーから空間情報を引き出す使いこなしの方が、私にはよほど高度な技術に感じられる。
とはいえ、2chも設置角度・ケーブル選定・端子の接点処理など、詰めるべきポイントは山ほどある。
要は本数の多い少ないではなく、それぞれの土俵で使いこなしを突き詰める必要があるということだ。
実際、我が家にはリビングとオーディオルームの2組の5.1chシステムがある。

リビングは主に両親専用のテレビコーナーだが、離れたダイニングに座っていても車の走行音が本物のように聴こえたり、幅2.4mのソファのどこに座っていてもセリフがしっかりセンターから聞こえてくる。
これはセンタースピーカーがきちんと仕事をしている証拠だと思う。

2chピュアオーディオでは、左右のスピーカーを結ぶ正三角形の頂点(スイートスポット)にリスナーが座っていないと、センターの音像は定位しない。
ピュアオーディオでセンタースピーカーを使う気にはならないが、リビングのように多人数で見たり、画面の正面から座る位置が左右にずれる環境では、センタースピーカーは間違いなく有効だ。
つまり「1人でスイートスポットに座って音楽に没入する」用途と「複数人がバラバラの位置からテレビを見る」用途とでは、そもそも最適解が違うということでもある。
映画はAVアンプでサラウンドを、音楽は2chピュアオーディオで、目的に応じて使い分け、それぞれの手間を楽しんでいる。
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【もくじ】
2026年7月9日更新
2020年11月29日初回投稿










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