店長はお元気にしているのだろうか?
オーディオ業界が元気だった頃
【もくじ】
30数年前の日本橋でんでんタウン
若い頃、大阪の日本橋のでんでんタウンにあるオーディオショップに行き、帰りにタワーレコードでCDを買うのが楽しみだった。
月に1、2回程、日本橋でんでんタウンのオーディオショップを巡っているうちに、行きつけの店が出来てくる。
その頃は、Joshin電気やニノミヤムセンのビルが目立っていた。
今はなきニノミヤムセンのオーディオコーナーの店員さんは、学生だった若造の私のリクエストに応えていただき、何種類もスピーカーとアンプの組み合わせの視聴を何時間も付き合ってくれた事など思いだす事がある。
河口無線やシマムセンは、今でも頑張っている数少ないオーディオショップだが、当時は他にもいろんなオーディオショップがあった。
個性の強いオーディオショップの店長
あるオーディオショップの店長は、私に「オーディオはメーカー選びが大切だ」と言うことをしきりに話していた。
店長が曰く、スピーカーはタンノイかエレクトロボイス、アンプはサンスイ、CDプレーヤーはマランツ かサンスイかティアック、というように、はっきりと自分の意見を述べる人間だった。
オーディオ雑誌の評価とはまた違った話しが、私にとっては新鮮でいつの間にかその店に通うよう事が習慣になっていた。
その店長と話しているうちに、私自信も自分の意見をはっきり話すようになり、オーディオに対してどんどん熱くなっていく。
ある日、いつものようにその店に行くと、オーディオショップの店長はマランツのCD34というCDプレーヤーの筐体を開け、ドライバーを片手にコツコツと内部のパーツ類を叩きながら、要所要所に鉛のテープを貼っていた。
マランツCD34
鉛の防振テープ
店長曰く、「このCD プレイヤーは名機だけどコストダウンをしているので防振対策をすると音が良くなる。」のだと言っていた。
私は興味を持っていつものようにいろいろ質問をしだすと、「そんなに情熱があるならうちの店で働いてみないか?」と店長は言った。
若かった私は、店長からの誘いに嬉しい反面、急に言われてびっくりしたのか上手く返答できず、尻込みしてしまった。
その後もそのオーディオショップに通ったが、そのうち店長は私を誘う話しはしなくなった。
その頃の日本橋はオーディオショップがパソコンショップにとって代わり始めてきていた。
あのオーディオショップは何処かへ
月日は経ち、何年かぶりに日本橋のでんでんタウンを訪れたが、通っていたオーディオショップはパソコンショップに変わっていた。
前にオーディオショップの店長が「もう日本橋でオーディオショップをやっている事が情けない。」と時々愚痴っていたことを思い出す。
店長はどこか理想の場所が見つかったのだろうか?
オーディオについて熱く語っているのだろうか?
今の私は、その当時の店長の年齢を既に超えているが、あの頃通っていたオーディオショップの店長に誘われて働いていたら今頃どうなっていただろう?
現在の日本橋をみるとオーディオショップは片手で数えるほどだ。
オーディオ機器を購入するには、ネットショップか駅の近くにある大型家電量販店かオーディオ専門店でも早くからネット販売に力を入れている店が中心になっている。
オーディオショップが少なくなる事は寂しいが、こればかりは時代の流れで仕方がない。
オーディオメーカーやブランドも、サンスイやナカミチなど姿を消していった。
しかし今でも、マランツ、DENON、ヤマハ、TEAC、ラックスマンなど国内のメーカーも頑張っているし、憧れのタンノイもこれからもいい商品を提供し続けて欲しいと一人のオーディオファンとして願っている。
[rakuten:yamada-denki:10439125:detail]
[rakuten:edion:10419176:detail]
[rakuten:audio-ippinkan:10010073:detail]
2020年5月15日(更新)
2020年1月4日(初回投稿)
✅\Amazon ポイントのチャージをお忘れなく!/