メーカー製のスピーカーを使ってみたくなった。
スーパースワンとaudio pro fs-20
■今までメインで使ってきたオーディオのスピーカーは以下の通り
①オンキョーの18cmか20cmウーファー+ツイーター+スーパーツイーターの密閉型 3way ブックシェルフスピーカー
②ダイヤトーン DS77-EX 30cmフーファー+12cmスコーカー+ツイーターの密閉型中型3wayブックシェルフスピーカー
③エレクトロボイス 13cmウーファー+ツイーター 2wayバスレフ型スピーカー
④<ここからスーパースワンの時代が続く>
※スーパースワンの歴代ユニット
④ー①FE108super 1992年ごろ Q0=0.25
④ー②FE108ES 1998年ごろ Q0=0.23
④ー③FE108ESⅡ 2001年ごろ Q0=0.23
④ー④FE108sol 2015年 Q0=0.34
⑤audio pro fs-20 20cmウーファー+13cmミッドレンジ×2+ツイーター
3way トールボーイスピーカー
現在は上記④−④と⑤を併用している。
スーパースワンについては初代④−①FE108superから30年弱使っている。
2022年2月25日に発売された限定ユニットでなんと5代目になる。
2015年頃、久しぶりにメーカー製のスピーカーを購入した。
バックロードホーン一筋だったのが、年齢を重ねるごとエレクトリック時代のマイルスデイビスやハードバップジャズ中心からビル・エバンスやヨーロッパジャズなどを好んで聴くようになり、もう少し柔らかい優しい音を求めるようになってきた。
久しぶりにメーカー製のスピーカーを購入してみようと思った。
家庭を持ち子供も小学生に入ろうかというころで、あまり予算もかけられないので、
購入価格ペア10万円を基準として、ヨドバシカメラや日本橋のオーディオショップなどでいろいろ視聴してまわった。
視聴したスピーカーの型番は、あまり思いだせないが、以下の通り
・ダリ センソール7
*写真はセンソール7の後継機種 OBERON7
・KEF トールボーイ
写真はKEF Q550
・JBL STUDIO 580CH
現在は 580CHは廃盤 写真はSTUDIO 680
・B&W トールボーイ(13mmウーファー×2+ツイーター)廃盤?
(本当は ↓ これくらいのクラスにしたかった。)
・audio pro fs-20
スーパースワンの横に置く形になるので、トールボーイ中心に聴いた。
・JBLは、ぱっと聴いた瞬間、好みの音だったが少し大きかった。
・ダリは高音が少し荒いと感じた。
・KEFは低域中心でシアターには良いかも?
・B&Wはこの価格帯は流石に低音不足。
🌟audio proは、レンジは狭いものの、ピアノの音が前に出てきて求めている音に近かった。
当時はペアで8万円を切っていたので即購入した。(今は10万円超えだと思う)
★今買うなら、ピアノブラック仕上げの方が音質的に良い。
家に届くとびっくりしたことに1つのダンボールにトールボーイスピーカーが2本入っていた。
(運送業者の方は相当力持ちだ。一人で担いできた。)
ファーストインプレッションは、
・音がこもっている。
・分解能が悪い。
・高音が伸びない。
・低音が膨らみすぎてしかもスピードが遅い。
今まで軽量コーンの小口径バックロードホーンの音に慣れていたので、そのギャップは激しいものだった。
スピーカーはそれなりのエージングが必要なので、半年ぐらいは我慢してだめなら又考えようと思った。
しかし2020年になった現在も、まだ私のオーディオルームにメインスピーカーとして残っている。
数年の間に、電源ケーブルの交換、スピーカーケーブルの交換、インターコネクトケーブルの交換、インシュレーターの設置、プリメインアンプの買い替えで相当音が変わった。
エージングと使いこなし後は、
🌟ピアノは艷やかで、余韻も綺麗。
🌟高音もシンバルの音がよくなった。
🌟低音も分解能が良くなってきた。
🌟結構どんなジャンルもそつなくこなす。
ケーブル交換をしても、アクセサリーで対策しても、音質の違いを明確にするので買ってよかったと今でも思っている。
今の時代でペア10万円くらいのトールボーイであれば、かなり安いと思う。
当時、視聴したスピーカーの中でもいまでも現役で販売されているのはこのaudio pro fs-20だけだと思う。それだけに売れていると言う事か?
まだまだ私も使いこなしとして、やれていない事がある。
例えば、音響パネルの設置だ。
スピーカーの後ろの片側はガラス・サッシでカーテンを吊っている。もう片側は壁で何も対策していない。
部屋が狭く、あまり手前にスピーカをせり出す事が出来ないので、背面の壁の対策は前々からしたいと考えていて、自分で作成しようとも思ったが、それなりの木材を調達しカットするのも費用と時間と労力がかかるので、音工房Zとメールでやり取りして検討している最中だ。
音響パネルを設置したら、その際はレビュー記事にしたいと思う。
メーカー製のスピーカーの改造について
「むやみにスピーカーの改造はやらない方が良い」というのが無難な意見だと思う。
一方、メーカー製のスピーカーは、限られた時間とコストの制約の中で作成されている。
採算の取れない商品を作っても・売ってもメーカーは赤字になる。
時間とコストの制約が自分次第の自作スピーカーは、本人の財力と掛けられる時間と経験と実行力でユニットの限界に向かってどんどん音質をアップすることができる。
最近のハイコスパなスピーカーは、どこかでコストダウンを図っている。
ポイントはエンクロージャーの内部にあるパーツを対策や交換することで音質が向上する。
【スピーカーの改造のポイント】
①吸音材の調整(増量、減量、交換、配置換えなど)
②ユニットの防振
③バスレフダクトの防振
④ネットワークの交換
⑤エンクロージャーの補強
概ね上記の5つがメーカー製のスピーカーの改造のポイントだが、実は①の吸音材が簡単そうで難しい。
追求しだすと結構根気がいる作業で、最初の音を忘れてしまう。
吸音材の貼り方やによる音の変化を知るためには良いが、いつでも元に戻せるようにメモや写真や撮ってから作業をすることをおすすめする。
おすすめは②と③の防振。
これは作業としてはハードルが低いが効果が結構期待できる。
オーディオプロFS-20は、ユニットとバスレフダクトの防振で驚くほど高音質な鳴った。
④のネットワークの交換について、マルチウェイユニットの場合は「ネットワーク」といって、コンデンサやコイルや抵抗で、それぞれのユニットに適正な音域を配分している。
特に高音域用のコンデンサを電解コンデンサから良質なフイルムコンデンサにするとかなりの高音質になる。
ちょうど今(2021年秋)FS-20のネットワークのパーツを時間を掛けながら交換している最中だが、ビックリするくらい高音質になる。(いずれ記事にする予定。)
⑤のエンクロージャーの補強については、FS-20ではまだ手を付けてないが、箱をがちがちに固めると詰まった音になってしまう。
また、吸音材と違って、ボンド止めするともとに戻せなくなるので、あまりおすすめがしないが、ツボが分かれば効果が期待できる。(ツボを探すので大変なのだが、、)
~最後に~
長く付き合えるオーディオ機器は使えば使うほどに、その本人にとってコスパがよくなっていく。
audiopro FS-20は、コストの制約の中で頑張っているほうだが、オーディオショップではあまり派手に鳴っておらず素性の良い玄人好みのスピーカーかもしれない。
現にコストダウンの部分の対策とパーツの交換によって、販売価格の倍以上の音質の向上が目指せる。
FS-20に限らず中古などで安く売られてユニットに問題なければ、購入して改造してみて欲しい。
【改造を前提とした中古スピーカーを購入するポイント】
・ユニットが外しやすいこと
最近のユニットはネジを隠していることが多く、化粧カバーが外れない場合がある。
外からネジが見えているものが無難である。
・ウーファーはウレタンエッジは避ける
昔のタンノイやJBLは布エッジのため、今だにビンテージ品として人気がある。
ウレタンエッジは劣化すると必ずボロボロになってしまう。
・発売当初はハイコストパフォーマンスのものを選ぶ
ハイコストパフォーマンスなものは、どこかでコストカットを図っている。
エンクロージャーの中に隠れている、ユニットのフレームやネットワークはコストカットしている可能性が高い。
ユニットとエンクロージャーに良いものを使っている中古品を購入して、ユニットのフレームの防振やネットワークの交換、吸音材の見直しをすることでスピーカーの能力をフルに発揮させることができる。
・オーソドックスな2wayや3wayスピーカーを選ぶ
特殊なユニットや多数あるユニットは改造が大変。
中型までのブックシェルフやトールボーイスピーカーがおすすめ。
やはりよく売れているJBLの4312なんかが良いのではないか?
あまりにも大きくて重たいスピーカーを横に倒したりして改造する作業はひとりでは大変だ。
これは自分の体力と相談してよく考えて購入するほうが良い。
以上のことを踏まえて中古スピーカーを購入すると、オリジナルや最新スピーカーを超える自分だけのオリジナルスピーカーになると思う。
最近はオーディオショップは、昔ほど客が少なくなったと感じる。
昔はスピーカーなど試聴していると「こっちの方が音が良いよ!」と知らない人が横から話しかけてきたものだ。
オーディオ機器もかなり価格が高騰しており、今後の人生あと何回スピーカーを買い替え出来るかわからないが、オーディオ業界が盛り上がってワクワクするような製品がもっともっと出て来ることを期待したい。
2021年10月20日追記
2020年1月19日初回投稿