覗いてみたい衝動
スピーカーの話である。
私は若い頃、スピーカーの中はどうなっているのか確かめるのが好きだった。
スピーカーを見つめていても、なかなか自分の理想としている音が出せない。
いったい箱の中身はどうなっているのだろう?中を見たくなる衝動が抑えられなくなる。
工具箱から6角レンチを探して、ダイヤトーンの重たい30cmウーファーのネジを1本ずつ外した。
コーン紙を傷つけないように慎重に慎重に、、、あっ! ヒヤッとすることに懲りずに何度もユニットを外してはエンクロージャーの中を懐中電灯で照らし覗き込む。
その時のスピーカーの匂いが、いかにもオーディオ!って感じがずる。(分かる人に分かる)。
そのころのスピーカーは各メーカー物量投入合戦をしていたので、スピーカーを横たわせるのも若かったから出来たのだろう。
若いときの好奇心は今でも衰えず、自作スピーカーやメーカー製のスピーカーを高音質化するために時折スピーカーユニットを外し手を加えている。
幾度となくネジを緩めては締めるを繰り返すとネジが空回りして、しっかりと締め付けられなくなる。いわゆるネジ穴が馬鹿になってしまうのだ。
オーディオでネジが緩むという事は、音も緩むことにつながるのでこれではいけない。
当時はパソコンを持っている人間が稀で、「パソコンて何するもの?」と言っていた時代。
当然インターネットで検索なんて出来ない。
そんなときは、オーディオ雑誌が頼みの綱だった。
雑誌をパラパラめくっていると解決策が記載されていた。
その方法は
・割り箸をスピーカーのネジ穴に合わせて削る。
・馬鹿になったネジ穴に木工用ボンドで塗ったその割り箸を突っ込む。
・突出した割り箸の残りの部分は、細いノコギリなどでカットする。
・ボンドが乾くまで2,3時間以上は待つ。
大概はこれで解決する。
これはスピーカーに限らず家具や建具などの丁番金物などゆるくなってネジ穴が馬鹿になった場合に使う方法だ。
しかし、現在はもっと簡単なモノが売っている。
ホームセンターでも入手出来ると思うが、エポキシ系の粘土たいなもので補修や木工用として売られいている。
エポキシパテ(木部用)というものだ。
丸い棒状になっており、その断面は、真ん中にクリームの入ったロールケーキみないに、2色になっている。
これは2液性のエポキシ接着剤と同じ原理で、粘土状になった棒をカッターで適量切り出し、その2色が馴染むよう指で練り合わせる。
2色が混ざると素早く馬鹿になったネジ穴に詰め込む。
詰め込むときは綿棒や爪楊枝などで奥まで入るようにつついてやる。
はみ出した分を拭き取って乾燥させる。1時間もあれば乾くが、室温等に左右されるので心配であれば半日くらい乾燥させておくとよい。(ネジ穴は小さいのですぐ乾く)
乾いたらネジを締めるとしっかり効いているという便利なパテだ。
但し、使った残りはしっかりケースで密閉しておかないとすぐに硬化して使い物にならなくなるので注意が必要だ。
スピーカーのネジ穴に限らずユニットの取り付け穴の木口に塗っても補強になって都合が良い。その際は少し水で濡らし柔らかくして擦り込むとよい。
スピーカーの中を覗きグセのあるかたはお試しあれ!
家具などの補修用として便利なので1つは持っておいても良いかもしれない。
2020年1月31日
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