【DL-103×TEAC TN-3B】プレーヤーを買い替えなくても過去最高のレコード再生に辿り着いた話
引っ越しをして以来、なかなか落ち着いて音楽が聴けなかった。
部屋が変わると音が変わる。
スピーカーの位置、壁との距離、床の材質。
すべてが一からやり直しだ。
試行錯誤を重ねた末に、ようやく自分のシステムで過去最高と言える音に辿り着いた。
しかもターンテーブルはTEAC TN-3B、エントリークラスのままで、だ。

【もくじ】
DL-103のヘッドシェルの変更
DENONのMC型カートリッジDL-103のヘッドシェルをオルトフォンSH-4からオーディオテクニカ AT-LH11Hに変更した。

ここで一つ注意点がある。
TEACのTN-3Bはサエクのナイフエッジ構造という贅沢なトーンアームが搭載されている。


しかし、軽量級のレコードプレーヤーの宿命で、カートリッジとヘッドシェルの重さの適正には上限がある。
ヘッドシェルは、がっちりととカートリッジをささえ、共振しないように作ると必然的に重くなる。
TEACのTN-3Bで、DL-103を使用する場合のヘッドシェルは、AT-LH11Hがその限界に近い重さだ。
これ以上重いヘッドシェルを使うと、トーンアームについているカウンターウエイトが、シャフトの後ろから飛び出て、ゼロバランス調整が取れなくなる。
鉛テープを貼ったり、サブウエイトを取り付ければバランスはとることはできるが、今度はトーンアームの動きに悪影響を及ぼす。
TN-3Bなど軽量級のレコードプレーヤーのユーザーは、ヘッドシェルの重さに注意していただきたい。
ちなみに、ゼロバランス調整の方法については以前こんな記事を書いた。
▶︎ [レコードプレーヤーの高音質セッティング【水平を正す!】ゼロバランス調整方法とは?](https://www.audiojazzlife.com/entry/counterweight-memori)
ターンテーブルマットの工夫
ターンテーブルマットは、Hudson Hi-Fi のアクリルターンテーブルマット をベースに使用している。

通常盤レコードには、その上にオヤイデのオヤイデ ターンテーブルシート BR-ONE
(1mm厚ブチルゴムのシート)を重ねる。

アクリルだけでは硬すぎる印象があるが、ブチルゴムシートを重ねることで適度な制振効果が加わりバランスが良くなる。
一方、分厚い重量盤レコードの場合はオヤイデ ターンテーブルシート BR-ONEを外し、Hudson Hi-Fi のアクリルターンテーブルマット に直接載せる。
これによりダイレクト感が出て音の鮮度が上がる。
床とオーディオラックが強靭であればハウリングも出ない。
つまりマットは一枚で固定するのではなく、レコード盤の重さに合わせて使い分けるのが良さそうだ。
アクリルターンテーブルマットについては以前こんな記事を書いた。
▶︎ [【アクリル ターンテーブルマット】がおすすめ!軽量級レコードプレーヤーの音質が重量級になる!](https://www.audiojazzlife.com/entry/platter_mat)
スーパースワンの設置と格闘
メインで使用しているスピーカーは長岡鉄男氏設計のバックロードホーン、スーパースワン。

このスピーカーは設置場所の影響を非常に受けやすい。
床との距離、背面壁との距離、左右の振り角。
引っ越し後、何度も試行錯誤を繰り返した。
最終的にインシュレーターも見直した。
床から3cmの山本音響工芸のウッドキューブベースアサダ桜材で浮かせていたのを
AETの スパイクインシュレーターのみに変更したところ、低音が下まで伸びた。

スピーカーは床から浮かせた方が低音が締まるので良いと思いがちだが、バックロードホーン型スピーカーの開口は、床との適度な結合が低音の伸びに影響するようだ。
スピーカーセッティングの基本については以前こんな記事を書いた。
▶︎ [【スピーカーセッティングのコツ】スリップ防止でよみがえる高音質!](https://www.audiojazzlife.com/entry/nonslip_setting)
▶︎ [【音像が視える!】スピーカーセッティングのコツ<視聴距離の重要性>](https://www.audiojazzlife.com/entry/speaker_setting_pinpoint)
ハウリングマージンが劇的に改善した
団地に住んでいた時代は、畳の上にコンクリートの溝蓋で自作したスピーカーボード、オーディオラックの下には御影石ボード、レコードプレーヤーのインシュレーターにはソルボセインのインシュレーターと、できる限りの対策をしていた。
それでもアンプのボリュームは14時あたりでハウリングが起きた。
しかし、一般的にはこれで十分だと思う。
今の家は戸建ての重量鉄骨造で、スピーカーとオーディオラックを置いている床の下はコンクリートのスラブになっており、それに直接フローリングが貼られている。
畳よりも頑丈で、結果、ボリュームを右に回し切ってもハウリングが起きない。
言い換えれば、畳の部屋でも対策をすればハウリングマージンは稼げる。
しかし強固な床を確保し、ハウリングマージンが無限になっても、ケーブルやスピーカーのセッティング、エージング不足では本領が発揮できない。
床を制するものはオーディオを制する、とずっと思っていた。
しかし、どれだけ床が理想的になっても、まだまだ改善する余地がある。
振動対策の基本については以前こんな記事を書いた。
▶︎ [オーディオ機器の【高音質化セッティング】の基本 振動を理解する事](https://www.audiojazzlife.com/entry/shindou)
▶︎ [オーディオラックの振動対策におすすめ!人造大理石コーリアンボードは優秀なオーディオボード](https://www.audiojazzlife.com/entry/corian_bord)
レコードプレーヤーを買い替える前にやること
今回の試行錯誤はすべてTEACのTN-3Bのままで行った。
軽量級のレコードプレーヤーでも、周辺機器とセッティングの追い込みで相当音質が良くなる。
買い替えを検討する前に、まずできることをすべてやってみることをおすすめしたい。
レコードプレーヤーの音質アップの基本については、こちらの記事にまとめている。
▶︎ [レコードプレーヤーの音質アップ!【完全マニュアル】〜基本から応用まで〜](https://www.audiojazzlife.com/entry/vinyl_begin)
最後に
悩ましいのが、オーディオの楽しさでもある。
団地から今の家に引っ越してきて、なかなか落ち着いて音楽が聴けなかった。
スピーカーケーブルやPHONEケーブルやLINEケーブルを作成し、エージングやケーブルとプラグの組合せ、スピーカーのセッティングなど諦めずに進めてきた。
ようやくだ。
どのレコードも、ウッドベースはゴリっと且つ深く沈み込み、ドラムの迫力、細やかさや奥行き、心地よく更に深く暖かいサックスが感情たっぷりに鳴り、トランペットは鋭く輝かしいが決して耳に刺さらない。
スーパースワンから久しぶりに、演奏者の感情が伝わるような凄みのある音が響く。
決して高級品ではないTEACのTN-3Bでも、まだまだ十分満足な音を奏でてくれている。
2026年6月29日
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