実家をリノベーションして、リビングにサラウンドシステムを組んだ。
だが、正直に言うと施工の段階でいくつもの「これはないだろう?」という失敗に見舞われた。
工務店やインテリアコーディネーターは、オーディオやホームシアターの知識をほとんど持っていなかったのだ。
これからリノベや新築でサラウンドを検討している方に、私が実際にやられた失敗と、そこから得た教訓を共有したい。同じ轍を踏まないための参考になれば幸いだ。

【もくじ】
- 失敗①:サラウンド用スピーカーケーブルの配線が台無し!
- 失敗②:インテリアコーディネーターが「壁掛けテレビ」と「AVアンプ」を使ったサラウンドシステムを理解していなかった
- 失敗③:造作テレビボードの扉スリットが狭くリモコンが反応しない
- こだわった機材構成
- これからリノベ・新築でホームシアターやサラウンドを組む人へのチェックリスト
- そもそも業者選びが一番大切
- まとめ
失敗①:サラウンド用スピーカーケーブルの配線が台無し!
一番こたえたのがこれだ。
我が家のリビングは、アンプをテレビボード内に設置し、サラウンドスピーカーはリスナーの左右の天井に取り付ける構成。
テレビはテレビボードから離して壁掛けにしている。
サラウンドスピーカー用のケーブルは、当然アンプに繋ぐ必要がある。
つまりスピーカーケーブルのアンプ側の端は、アンプのあるテレビボード内(下の方)に出てこなければ意味がない。
ところが実際には、そのアンプ側のケーブル端が、なぜか上にある壁掛けテレビの位置から出されていたのだ。

これでは、壁掛けテレビの高い位置から下のテレビボード内のアンプまで、壁から露出してケーブルを引き回さなければならない。

工務店にアンプ側へ出し直してもらったが、アンプ側への距離があるためケーブルがギリギリで、何とかギリギリAVアンプに接続できる長さだった。
逆に、サラウンドスピーカーを天井に設置する予定なのに、天井のスピーカー側はケーブルが1.5mも余分に垂らされていた。

なぜその長さで出したのか理解に苦しむ。
私はベルデン8470を、6mで済むであろうところ7m買って工務店に支給していた。
それにも関わらず上記の通りで、サラウンドスピーカー側の無駄に長く引き出された余分なケーブルは泣く泣くカットした。
さらに、テレビ下に移動してもらったスピーカーケーブルをAVアンプに接続しようとしても、壁から出ているケーブルが短いためAVアンプを手前に引き出せず、手鏡をAVアンプの裏に滑り込ませ、映しながら手探りでスピーカーケーブルを接続する羽目になった。

この時、つくづくバナナプラグは重宝すると感じた。
✅バナナプラグについては詳しくコチラ👇の記事に書いているので参考にしていただきたい。
施工者は「スピーカーケーブルはアンプに繋ぐもの」という基本を分かっておらず、テレビまわりの配線と一緒くたにして、テレビの位置から出してしまったのだろう。
教訓:どの機器に繋ぐケーブルなのか、出口位置を図面に明示する
「スピーカーケーブルのアンプ側は、テレビボード内のこの位置に出す」
「サラウンドスピーカーは天井のどの位置に設置し、ケーブルを天井から何センチ出す」
など、ケーブルの両端がそれぞれどこに繋がるかを、口頭ではなく図面上で具体的に指示すること。

工事では、施主が出した要望が、工務店の営業担当→コーディネーター→現場監督→大工→電気工事業者へと伝言ゲームで伝わっていく。
施工者はオーディオの常識を知らない前提で、素人でも分かるレベルまで噛み砕いて伝える必要がある。
失敗②:インテリアコーディネーターが「壁掛けテレビ」と「AVアンプ」を使ったサラウンドシステムを理解していなかった
打ち合わせを進める中で発覚したのだが、担当のインテリアコーディネーターは、テレビの音声を外部出力してAVアンプやブルーレイレコーダーに接続するホームシアターの意味・意義を分かっていなかった。
テレビを壁掛けにするなら、配線を壁内に隠すための下地補強や配管(CD管)の準備が事前に必要になる。

しかし、そのCD管は大小2本仕込まれてはいたものの、壁の中をうねるように配管されており、HDMIケーブルやUSBケーブル、光デジタルケーブルを後から通すのにかなり苦労した。
太いCD管を複数仕込むなど、後からケーブルを交換できるように、できる限り配線スペースを壁の中に確保しておくほうが良いと思う。
HDMIケーブルやHDD用のUSBケーブル、LANケーブルを通すことや電源コンセントの位置などを説明していたのだが、ケーブル類を後から入れ替える可能性があるということも含め、そもそも工務店側には前提知識がなかった。
また、65インチのテレビの画面中心が床から90cm〜1mの高さに来るようテレビ掛け金具を設置したいと伝えていたが、いざ設置しようとすると下地が思っていたよりも上に入っていた。
幸いギリギリ下地に固定できたが、あと数センチ下地が上にずれていたら、希望の高さにテレビを壁掛けできなかっただろう。
教訓:オーディオ・AVサラウンドの知識は、工務店側に期待しない
インテリアコーディネーターは色や素材、家具の配置のプロであって、オーディオ配線のプロではない。
ホームシアターでサラウンドを本気で組むなら、オーディオショップなどの専門業者に別途相談するか、施主自身が細部まで指示できるだけの知識を持っておく必要がある。
特にリフォームの場合は、現場納めで建築設計士が付いていないケースがある。
工務店やリフォーム業者の営業マンやコーディネーターが経験豊富なら任せても良いが、過度な期待はしてはいけない。
面倒でも、自分が設計士のごとく平面図や立面図に寸法などを細かく示しておく必要がある。

一番良いのは、位置決めの際に現場に立ち会うことで、これが確実で安心だと思う。
失敗③:造作テレビボードの扉スリットが狭くリモコンが反応しない
家具屋さんに部屋の大きさに合わせて造らせたテレビボードにも落とし穴があった。
扉のスリット(通気・目隠しのための細い隙間)が狭すぎて、中に収めたAVアンプやブルーレイレコーダーのリモコンの赤外線が反応しにくいのだ。
見た目のデザインを優先したのだろうが、AVアンプやブルーレイレコーダーを設置する棚部分の扉のスリットが、ちょうど棚板の前に来ていた。
スリットが塞がれてしまうことに、機器を設置して初めて気づいたのだ。
後から扉のスリットを1本から3本に増やしてもらったが、録画番組をよく観る両親は、ブルーレイレコーダーのリモコンをいろいろな角度に向けながら操作している。

このように実用面で毎日ストレスを感じることになった。
有名な家具メーカーや音響メーカー製のテレビボードは、AV機器を入れる前提で設計しているので、その部分がガラス扉になっていたり、扉なしのオープンになっている。

天然の無垢材やデザインにこだわっている割に安く提供してくれる良い家具屋さんだったが、家具屋さんはAV機器のプロではないので、ここにも落とし穴があった。
教訓:AV機器を収める家具は「リモコンが効くか」を必ず確認
造作家具を作る際は、扉の素材(赤外線を通すスモークアクリルなど)やスリットの幅を、実際にリモコンを操作する前提でチェックする。
手持ちの機器類がテレビボードに収まるかは当然として、赤外線リピーターを設置する前提で配線を用意しておくのも手だ。
こだわった機材構成
今回、工務店に依頼したホームシアターの壁下地やケーブル類の埋設は失敗続きだったが、機材そのものは自分のこだわりを詰め込んだ構成にできた。
参考までに紹介しておく。

有機ELテレビ
今回のリノベーション前から両親が居間で使っていたソニー 有機EL 65インチ。
リノベーション後に私がオーディオルーム用に買ったREGZAの有機EL 65インチと比べると、ソニーは派手さはないが奥行き感の表現が素晴らしい。
ソニーの映像処理の実力を改めて感じる。
ちなみにテレビ掛け金具は、アーム式がおすすめだ。
テレビの角度を変えられるだけでなく、ケーブル交換などメンテナンスが楽にできる。
スピーカーシステム(5.1ch)
・フロントスピーカー
引っ越し前に団地で使っていた、フォステクス FE108SS-HPを搭載して、PST回路で組んだ「飛びねこ」製のスリムなダブルバスレフ

Fostex 10cm フルレンジユニットFE108SS-HPは強力なユニットで、よくできたダブルバスレフのエンクロージャーと相性抜群だ!
・センタースピーカー
ALR/JORDAN
これは確かフリマアプリのメルカリで安く購入したものだが、癖がなく、アナウンサーの声や映画やドラマのセリフがクリアに聴こえる。

・サラウンドスピーカー
フォステクスのP800-Eにフォステクス の8cmフルレンジユニットFE87Eを組んだもの

これで充分なサラウンド効果が得られる。
ちなみに、天井吊りのブラケットは、エース・オブ・パーツ スピーカー 天吊り 壁掛け SPK-PRZ01
・サブウーファー
こちらも引っ越前から購入し使いづけているものだが、スリムでテレビボードのサイドにさりげなく置いている。
しかし、このサブウーファーは位相反転スイッチがなく、設定が難しい。
低音がやや遅れて聴こえるのだ。
リスナーに近づければ物理的には解決するが、見た目が不自然になってしまう。
リビングシアターはサブウーファーを置けるスペースに制約があり、あまり自由に動かせない。
そこで、擬似的に手前へ迫り出させる方法を使った。
AVアンプの距離設定で、サブウーファーを実際よりも「リスナーから遠い位置にある」と入力するのだ。
具体的には、AVアンプのスピーカー設定で、リスナーとフロント、センター、リア、サブウーファーとの各距離の実測値を入力する項目がある。
このサブウーファーの距離を実測値より、約1.5m足してみる。
こうするとAVアンプが遠い分だけ低音を早く出すよう補正してくれるので、他のスピーカーとタイムアライメントが揃い、低音の遅れが解消される。物理的に動かせない時に効く、設定による裏ワザだ。
✅サブウーファーの選び方やケーブルについてはこちらの記事にまとめている。
埋め込み配線用スピーカーケーブル
天井からブラケットで吊るすサラウンド用スピーカーケーブルは、耐熱性のあるベルデンBELDEN スピーカーケーブル 8470を選んだ。
天井裏は夏場かなりの高温多湿になるため、耐熱性のあるケーブルを選んでおくと安心できる。
工務店に支給する際も、耐熱グレードのものを長めに余裕をもって渡しておくのがおすすめだ。
AVアンプ
マランツNR1609
このマランツの薄型AVアンプとの付き合いは長く、以前は旧型番のNR1605をピュアオーディオに使用しても良い音を鳴らしてくれていた。
マランツの薄型のシリーズでは今も進化し続けている。
✅AVアンプについては👇こちらの記事を参考にしていただきたい。
これからリノベ・新築でホームシアターやサラウンドを組む人へのチェックリスト
私の失敗を踏まえて、事前に確認・指示しておくべきポイントをまとめておく。
☑①スピーカーケーブルの両端がどの機器・どの位置に繋がるかを図面に明示する
(サラウンドスピーカーケーブルのアンプ側はテレビボード内へ、天井に吊るすスピーカー側は天井の設置位置に、ブラケットを固定できるよう前もって下地を広めに入れておく)
☑②天井吊り下げスピーカーの設置位置と、天井からサラウンドスピーカーまでのケーブル長を具体的に指定する
☑③壁掛けテレビにするなら、下地補強とCD管(配管)の本数や太さを事前に依頼する
☑④造作テレビボードは、扉のスリット幅・素材がリモコンの赤外線を通すか確認する
☑⑤天井裏配線には耐熱性のあるスピーカーケーブル(ベルデン8470など)を使う
☑⑥AV機器の配線の要望は、インテリア担当ではなく施主自身が現場で具体的に指示する
そもそも業者選びが一番大切
私のように施工でトラブルに遭わないためには、そもそもオーディオ・AV配線の知識がある業者を選ぶことが何より大切だ。
複数社から相見積もりを取って、AV配線の実績を聞いておくと、こうした失敗をかなり減らせる。
まとめ
リノベや新築でサラウンドを組むなら、施工者はオーディオの常識を知らない、という前提で臨むのが安全だ。
「言わなくても分かるだろう」は通用しない。電気工事業者だからといって、オーディオ配線の知識があるとは限らないのだ。
配線の出口一つ、余長一つに至るまで、図面と具体的な指示で伝えること、そしてなるべく現場に立ち会うことが、後悔しないための最大のポイントだと痛感した。
それでも、こだわりの機材で組み上がったサラウンドの音は、苦労した分だけ愛着がわく。
これからリノベに臨む方は、ぜひ私の失敗を踏み台にして、理想の音空間を実現してほしい。
✅AVアンプの活用や2ch再生との使い分けについては、こちらもあわせてどうぞ。
⭐【2026年版】AVアンプをあえてピュアオーディオに!AVアンプを2chで使うメリットとは?
https://www.audiojazzlife.com/entry/pure_avamp
✅自作スピーカーやフロントスピーカーに使用している「飛びねこ」製スピーカーに興味がある方は、こちらも参考にしてほしい。
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【もくじ】
- 失敗①:サラウンド用スピーカーケーブルの配線が台無し!
- 失敗②:インテリアコーディネーターが「壁掛けテレビ」と「AVアンプ」を使ったサラウンドシステムを理解していなかった
- 失敗③:造作テレビボードの扉スリットが狭くリモコンが反応しない
- こだわった機材構成
- これからリノベ・新築でホームシアターやサラウンドを組む人へのチェックリスト
- そもそも業者選びが一番大切
- まとめ
2026年7月18日
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