ピュアオーディオにとって部屋は音質を左右する
特に床の強度が重要だ。
床の強度を補強するためにスピーカーの下に重たいボードを敷いたり。
強度のあるスピーカースタンドを使ったり。
分厚いカーペットに対しては、スパイクを突き刺してできるだけ硬い床に固定する。
これらはオーディオ機器に対する対策だがリスニングポジションに設定する椅子についても同じことが言える。
2本のスピーカーを結ぶ線を2等辺三角形の底辺に見立てて、この三角形の頂点にリスニングポジションが来るように椅子を設置する。
椅子の下にスピーカーベースのように板を敷いたりして補強するのも良い。(以前やっていたことがあるが今は椅子を動かすのであきらめた。)
それが無理ならできるだけ強度の高い場所を探して椅子を置くのも良い。
そして椅子本体はスピーカースタンドと同じく強度のある共振しないものが良い。
オーディオチェック用CDなどには、低音周波数のスイープ音が記録されている。20HZから徐々に音域が上にあがり250HZぐらいの間でスピーカーから出た音がある周波数のところで、床や壁、天井が共振するのがわかる。(強度の強い部屋は大丈夫だが)
家具や椅子もある周波数で共振することがある。
椅子は座りながら触るとよく分かる。
特に共振し易い椅子は、座面をパカッと開けるとモノなどが入るスペースがある、要するに中が空洞になっているタイプの椅子だ。
椅子の振動は体を通じて耳に達するなど余分な音が付加される。
オーディオ評論家の長岡鉄男氏は、ピュアオーディオルームでは硬い木の切り株を椅子として使用されていた。
木の種類も重くて振動しにくものが良いとのことだった。
軽い折りたたみの椅子や張りぼての椅子はあまりおすすめしない。
実家暮らしで自分の部屋でオーディオをやっていた頃、パイプの骨組みの背もたれが頭まであるリクライニングチェアーを使っていたことがある。
これは軽いためか座面から振動がビンビン伝わってきた。
その後リビングの古いソファーのお下がりで一人掛けのものを使っていた事があったが、一見、本皮張りで良いのだが軽くて張りぼてで、しかもつるつる滑って落ち着かない。
滑るのは布を敷いて防いだが、共振が激しく隙間にタオルを詰めまくって使っていた。
現在の椅子は、私が結婚したときに他の家具と一緒に購入したものだ。
あちこちの家具屋に行っては何度も座って確かめる事を繰り返して決めた。
やはり長く使うものなので妥協したくない。
さすがに肘掛けの部分は色落ちしているが、本革製で20年間ずっとこれを使っている。
高さも理想的で背もたれも頭より下にあるので、耳まわりに空間があり音を聴くのには余計な反射音や特定の周波数の音が吸われたりしない。
これは結構重要なことで頭まですっぽり覆われたものは背もたれの反射音で音が変わってしまう。
お年寄りが聞こえにくいときに耳の後ろに手を覆うようにしているがこれをすると実際音が大きくなって聞こえる。さらに音域も変わる。
ホームシアターなどサラウンドスピーカーをリアに配置している場合には特に注意が必要だ。
<デザイン重視>
椅子というものは、結構部屋の中で目につきやすい家具なので、デザインも重要。
上記で書いた内容と矛盾する部分があるがデザイン重視で、昔から広いオーディオルームを手に入れたら使ってみたいと思う椅子だが、どれも有名デザイナーの椅子で知っていて損は無いので興味のある方はどうぞ。
🌟イームズのラウンジチェア&オットマン ゆったり足を伸ばして座れるもの。非常に人気のある定番もの。しかし背丈や座高の低い方は、背もたれが耳の高さまで来るのでピュアオーディオ的には欠点になる可能性があるのだが?、、、デザインがいい!
🌟建築家のル・コルビジェのLC2ソファーも飽きのこないシンプルなデザインが良い。
🌟コルビジェのLC4 広いリビングなんかでBGMを聴きながら体を預けるのも良さそう。
🌟ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナチェア 王様の椅子と呼ばれておりシンプルだが品格がある。
🌟コロナチェアもカラフルでモダン。
(現実的には、、)
私のメインのオーディオルームは和室6畳に1畳分の板張りのスペースがある。そこは段差の無い床の間のような空間になっており、半分をクローゼットが占めており、夜家族で寝るときは残った半分のスペースに椅子を収めるようにしている。
椅子は、まずこの900mm×900mmのスペースに入るサイズである事が第一条件。
このような条件ではイームズのラウンジチェアのような大きなものは無理。
音楽を長時間聴くには、肘掛けがあるほうが楽だと思う。
コルビジェのLC2 ソファーは、コンパクトでシンプルなところが良い。。本革は10万円位するのが、3万円位で本革では無いがコルビジェデザインとして販売されている。
いつかは手に入れてみたい椅子だ。
スピーカー選びでは試聴が大事だが、椅子も同じく実物に座って決めたほうが良い。
音の好みがあるように、体型も人それぞれ、硬さの好みもそれぞれ。
デザインも好みや部屋とのマッチングなどそれぞれだ。
理想の椅子はコルビジェやイームズなどデザイン性の高いものだが、価格も高い。そんな金があればオーデオ機器に使ったほうが幸せと言う意見も確かだ。
良い椅子はヘタりにくく長持ちするので買い換えることが少なくて済み、結果的に安上がりだったりする。
いいデザインのオーディオ機器は聴いている時間は当然だが、部屋にあるだけでも見とれてしまう。
椅子もオーディオラックも音を発するものでは無いが、テザインや質にもこだわってみると幸福感が高まると思う。
しっかりした椅子はあまり買い換える事も無いので、お気に入りの椅子を見つけてはいかがだろうか?
2020年1月6日