ピュアオーディオとオーディオビジュアル
プロジェクターでスクリーンに映し出すホームシアターは憧れの的。
「百聞は一見にしかず」という諺のように、映像からもたらされる情報量は膨大だ。
私の主観だがピュアオーディオとAV(オーディオビジュアル)は別物だと思う。
以前の記事にも書いたがピュアオーディオは見えない音を視るというのが醍醐味。
音と言う情報だけで自分の感性をフルに活かして、楽器や奏者、空間や自然などをリアルに感じる事ができる。
それは同じ装置で同じ曲を聴いても人それぞれ違ったものを視ている。
神経を研ぎ澄まし、それぞれが それぞれの解釈で感じているのだ。
映画においては、観てイメージすると言うよりは、目に映る映像そのものとストーリー、音声、音楽、効果音などで構成され、観る人それぞれの経験と照らし合わし感動や驚きや怒り悲しみを感じられるものだと思う。
テレビはブラウン管からプラズマ、液晶そして有機ELと新しい方式が出てアナログからデジタル、ハイビジョンからフルハイビジョンや4K、8と高解像度化が進んでいる。
私も有機ELテレビを購入して特に暗所の表現やコントラストや色の鮮やかさに触れるともう後戻りは出来ないと感じているぐらいである。
実家の親もプラズマハイビジョンテレビからソニーの有機ELに買い替えた時は”めちゃくちゃ綺麗!”と感動していた。
しかしAVシステムで視聴している限り、HDMIケーブルを交換しても音質の違い程、画質の違いを感じない。
例えば、”40インチのテレビがまるで80インチのテレビになった”!ような感覚がするHDMIケーブルを私は知らない。
ノイズまみれの家電量販店で有機ELテレビのデモ画面や映画の映像を視てみても私の目には最新の有機ELテレビやエリア駆動の液晶テレビは非常に綺麗に見える。
テレビ売り場の店員に”HDMIケーブルはどのようなものを使っているか?”を聞いてみるとわかるが規格の違いはあれど特に高級なケーブルを使っているわけでないのである。
プロジェクターを使ってUHDブルーレイプレーヤーの映像を100インチ以上の大型スクリーンに映し出すようなホームシアターを組んでいる場合であればHDMIケーブルを長く引き回す必要があるのでHDMIケーブルの違いを明確に感じることができるかと想像する。(私は所有していないので正直わからない。)
私の家のAVシステムは55インチの有機ELテレビと49インチのエリア駆動VAパネルの液晶テレビの2組あるがそれまで過去につかってきた東芝REGZAの液晶テレビの時代からHDMIケーブルにはこだわってきた。
その理由は音質の変化が明確に感じられるからである。
audioquestのHDMI-1やHDMI-3、HDMI-X 。
WIRE WORLDのSTARLIGT5-2。
ベルデン、A2D、カナレ、ソニー、パナソニック、エレコム、メーカー不明のもの。
いろいろ使ってきたが正直、画質については大きな差が感じられなかったが、音質に至ってはかなり違いを感じる。
折角4Kテレビにしたので4K対応のHDMIケーブルのaudioquestのHDMI CarbonとHDMI Cinnamonを早々に購入してしまったが、未だにAppleTV4KやUHDブルーレイプレイヤーに買い換えていない。
理由は最近のテレビはAmazon Prime videoやNetflixのアプリがインストールされており、メーカーによって違うがテレビのリモコンにYoutubeやNetflixのボタンまで備わっている。
そのテレビのアプリで4kコンテンツが再生出来るので今のところソフトが高い特にUHDブルーレイプレーヤーは購入する予定もない。
テレビのアプリで再生するということは音声はテレビのARC対応のHDMI端子にHDMIケーブルを繋げAVアンプに音声信号を送り込むということだ。
この場合HDMIケーブルは4K対応の必要はなくARCに対応したHDMIケーブルで良いことになる。
私のリビングにあるLGの有機ELテレビのHDMI端子(ARC対応)からマランツのAVアンプにつなげるために上記の古いHDMIケーブルを試したが、WIRE WORLDのSTARLIGT5-2は明らかに音が出ないときがあり残念ながら却下となった。
audioquestのHDMI-1やHDMI-3やHDMI-Xも極たまにだが音が出なかったりアンプとの連動に問題がでたことがあった。
どれも音質はよかったのだが、私(家族も)の使い方ではテレビのアプリでNetflixを中心に視聴するという機会の方が多くなった為、ARCで正確に音声信号をAVアンプに伝える必要があるので古くから愛用してきたHDMIケーブルは手放すことになった。(やはり規格があまりにも古いと何らかの弊害があるようだ。)
現在はリビングの有機ELテレビとAVアンプ間にaudioquestのHDMI Cinnamon、オーディオルーム兼寝室のソニーの液晶テレビとAVアンプ間にaudioquestのHDMI Carbonを繋げている。
私のシステムではHDMIケーブルに関して言えばソニーやパナソニック(高級なものではないが)は音が締まっているが何か伸びやかさがなかった。
巷で評判のA2D社のHDMIケーブルは気の抜けた炭酸飲料のようで密度や厚みに欠けていた。
カナレは癖が無くフラットな感じ。
ベルデンはケーブルの太さと同じくアクション映画の効果音の迫力がある。
audioquestは非常に艶やかでありながら質感もありアクション映画の迫力も十分伝わるので気に入っている。HDMIケーブルでもメーカーの特徴が出ている事に驚かれる。
最近のテレビでしかもアプリによるコンテンツを視聴することがメインの場合はHDMIケーブルに関して特に4K仕様にする必要はなくテレビからAVアンプに音声を送り込む(返す)ARCに対応しておけば良いのではないかと思う。
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2019年12月18日