◆振動を制御するインシュレーター
私のメインシステムにはスピーカーが2つあり、その一つが10cmフルレンジのバックロードホーンのスーパースワンである。
スピーカーを自作されている方は、よくご存知の長岡鉄男氏設計のもので、FE108superと言うフォステクスの限定ユニットの為に設計されたもの。
FE108superは、通常ライナップだったFE108∑を更に磁気回路を強化したオーバーダンピングユニットである。
このようなユニットを普通の密閉箱やバスレフのエンクロージャーに取り付けても中高音の能率が高すぎて相対的に低音不足となる。
バックロードホーンはユニットの裏側の音をホーンを通すことにより低音のロスを減らし音域バランスを確保するもので、非常に高効率なスピーカーでありなんと10cmフルレンジにも関わらず能率は95dBはあるという。
私はスーパースワンを作成してから、初代FE108superからFE108ES、FE108ESⅡを経て現在はFE108solと言うように限定ユニットが出るたびに購入し交換してきた。
~2022年2月25日に待望の限定ユニットの新作が発売!~
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強力な10cmユニットのバックロードホーンは、エネルギー量が多く大音量を鳴らすと部屋の床の共振が足の裏にビンビン響いてくる。
床に敷いたコンクリートの溝の蓋の上にウッドブロックを3箇所置いてスーパースワンをセットしているが、箱と床の共振周波数が同じなのかこれだけしても振動が抑えきれない。
そこでスピーカーとウッドブロックの間に、何かインシュレーターを挟んでみてはどうか?
ゴムやソルボセイン などの柔らかい素材で振動を吸収する方法は、今までの経験からメインシステムには採用したくない。(他の箇所には私もソルボセインを採用している。)
昔、ティップトゥと言う円錐形のインシュレーターが発売され大変人気となった。現在もスパイクと言うカテゴリーで円錐形のものがいろいろ販売されている。
ティップトゥは円錐の底面と先端という形状で振動の通り方の変化で振動を制御しようというものである。
私が初めてオーディオスピーカーと言えるonkyoのスピーカーを購入した時は、スピーカースタンドにコンクリートブロックを使いブロックの影響を抑えるために10円玉や木片やホームセンターに売っている防振ゴムなどを挟んでいろいろ試したことがある。
結果、袋ナットが一番良かった。
袋ナットは強度抜群で全体的にクリアーになりつつ、低音も伸び、中域のみずみずしさも増したので好んで使っていた。
ただし欠点があって袋ナットは球状になっている為に非常に滑りやすい。大音量で再生するとスピーカーが少しずつずれてくる。
そこで、今回はティップトゥの発展型であるスパイク型インシュレータを採用することとした。しかし円錐形のスパイクは高さが嵩んでしまう。出来るだけスピーカーユニットを耳の高さにキープしたい為、もう少し小ぶりなスパイクを探してみた。
結果、オヤイデのINS-SPというインシュレーターが目に留まった。
<写真>
・山本音響工芸 キューブベースアサダ桜材(4個1組) インシュレーター QB-2
・左側は袋ナット、真ん中2つがオヤイデのINS-SP裏表、右側は100円玉
<オヤイデ電気の商品説明>
オーディオ機器をスパイクで設置することの優位性、それは機器と床面の点接触部分で振動の伝播を効率よく抑制でき、音のレスポンスやS/N感、解像度が向上されることにあります。
昨年の発売以来、圧倒的なコストパフォーマンスで大好評を博しているスパイク受け「INS-SP」。ついにこのINS-SPと対をなすべきスパイク「INS-US」が登場します。
INS-USは高剛性ステンレスを高精度NC切削。高い寸法精度と、一点荷重にも耐えられる高い強度を備えています。他の追随を許さない、小型スパイクの決定版の登場です。
※今回はスパイクのみで、スパイク受けは購入していない。
なぜなら既に高さを稼ぐためにウッドブロックがあり、それにスパイクが突き刺さることでしっかりグリップ出来ると考えた為だ。
取り付けた結果、高さも違和感なくスピーカーを揺すってもびくともしない。
早速いろいろな曲をいつもの音量で再生してみた。
⭐見事に床の共振がおさまってくれた!
音もクリアーになり低音も量感を保ちつつ明確になった。心配してた金属の固有音も感じられず耳に突き刺さることもない。
なにより床が共振しなという安心感があり、気にしながら音楽を聴くことから逃れることが出来た。
こんな小さいものでこれだけの効果は上出来だ。
目的は十分果たされた。
このオヤイデのインシュレーターを追加してから1年弱くらいになるが、今も不満なく使えている。
比較的安いインシュレーターなので試す価値はあると思う。
いろいろ試して自分の好みの音にあやつるのがオーディオの醍醐味!!
2019年12月17日